研究課題/領域番号 |
23K14892
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
相澤 理人 京都大学, 医学研究科, 助教 (60908234)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 外部放射線治療 / 局所再発 / 再照射 / 体幹部定位放射線治療 / Prostate cancer / re-irradiation / locally recurrent |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、前立腺内再発病変への3次元立体回転原体照射法を用いた新規の救済局所再照射法を開発し、その照射法と新規の画像診断法であるDiffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression法による正確な診断を組み合わせた臨床試験を実施することで、新たな救済局所再照射アプローチ法を開発する。 本研究開発によって、前立腺癌放射線治療後局所再発に対し、有害事象の低減と病勢制御の改善を両立可能な新たな救済局所再照射を、最適な症例群に提供しうる革新的なアプローチを確立することができると考える。
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研究実績の概要 |
当院で過去施行した、再発前立腺癌に対するPSMA-PET/CTの腫瘍検出効果を評価した第2相試験のデータを用い、放射線治療前(初期診断時)と局所再発時の前立腺内腫瘍位置関係を、遡及的に解析した。前立腺と精嚢を合計14区画に分割し、治療前腫瘍位置をMRI、再発位置をPSMA-PET/CTを用いて、それぞれ独立した2名ずつの放射線診断医が再評価し、原発腫瘍と再発腫瘍の重複率を算出した。重複率が75%以上の場合は、治療前腫瘍位置と同じ位置に再発腫瘍があるとみなし、25~74%の場合は部分的重複と定義した。選択基準に合致した症例は12例であり、再発腫瘍は、25.0%(N=4)で治療前腫瘍位置と同じ部位に検出され、41.7%(N=5)で部分的な重複が認められた。以上より、局所再発を来す症例における前立腺内再発部位として、前立腺内主腫瘍部位に一致した部位からの再発が主たる形式であることが分かった。本結果を論文投稿し、2024年3月にAdvances in radiation oncology誌に受理された(2024, in press)。 局所再照射の方法としては、前立腺癌で報告されている低いα/β値から、通常分割~中程度寡分割照射の線量帯ではなく、体幹部定位放射線治療を用いた1回5Gy以上の大線量投与が望ましいと考えられた。文献検索とその内容の検討の結果、32.5Gy~35Gy/5分割(再発腫瘍の体積と正常組織との距離で調整)が有望な線量と考えられた。また、1回大線量を用いた再照射であり正確な位置合わせが必須となるため、位置合わせ用の前立腺内金属マーカー刺入が必須であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、本研究のテーマである前立腺癌外部放射線治療後の局所再発への再照射を確立するための基礎的検討として、1)高線量外部放射線治療後の局所再発における前立腺内腫瘍位置に関する検討(論文受理済み)、および2) 文献検索により局所再発部位への投与方法・線量・分割回数の決定を完了しており、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今回決定した投与線量を元に実際の治療計画を行っていき、線量制約を最終確定し、臨床試験のプロトコルを作成する。当初、全身MRI(DWIBS)を診断モダリティとして用いることで転移巣の除外を行うことを検討していたが、2023年11月より当院にてPSMA/PET-CTの運用が開始されたため、全身MRI(DWIBS)の施行件数が大幅に減少した。その為、診断モダリティについて全身MRI(DWIBS)を用いることが困難と考えられ、現在診断モダリティについて検討を行っている。
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