研究課題/領域番号 |
23K14904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
大野 健 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (40826153)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経膠腫 / グリオーマ / MRS / CEST-MRI / IDH遺伝子変異 / 2HG / 1p / 19q共欠失 / Cystathionine / MR image biomarkers / Glioma / MRI / MR spectroscopy |
研究開始時の研究の概要 |
近年、神経膠腫(グリオーマ)の診断における遺伝子検査の重要性が報告されている。しかし、術前に遺伝子検査を行うためには生検術を実施し腫瘍細胞を採取する必要があるとともに、腫瘍内の不均一による誤診が問題とされている。本研究では、7 T超高磁場MRI装置を用いて、無侵襲にグリオーマの遺伝子変異に関連する腫瘍細胞の変化を高解像度で捉えられる新規MR画像バイオマーカーを作成し、腫瘍組織の不均一な遺伝子変異を反映した高精度なグリオーマ診断法を開発することを目的とする。また、開発手法を病理遺伝子検査と比較することにより手法の妥当性を検証する。
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研究実績の概要 |
近年、神経膠腫(グリオーマ)の診断における遺伝子検査の重要性が報告されている。しかし、術前に遺伝子検査を行うためには侵襲的な生検術を実施し腫瘍細胞を採取する必要があるとともに、腫瘍内の不均一による誤診が問題とされている。本研究では、無侵襲にグリオーマの遺伝子変異に関連する腫瘍細胞の変化を高解像度で捉えられる新規MR画像バイオマーカーを作成し、腫瘍組織内の不均一な遺伝子変異を反映した高精度なグリオーマ診断法を開発することを目的とする。グリオーマの遺伝子変異に伴う異常変化を可視化する手法として、MRSを高解像化したMRSイメージング法(MRSI)、磁化率強調画像(Susceptibility Weighted Imaging:SWI)および非侵襲的に代謝物をイメージングする手法である化学交換飽和移動法(Chemical Exchange Saturation Transfer:CEST)を利用したCEST-MRI法を用いる。以下の代謝変化を無侵襲に薬剤の投与無く測定し、遺伝子変異を反映するMR画像バイオマーカーを作成する。① 2HG(MRSI)、② シスタチオニン(MRSI)、③ グルタミン酸(CEST-MRI)、④ グリシン(CEST-MRI) 本年度は超高磁場ヒト7 T MRI装置において、既知濃度・pH溶液を用いた基礎実験を行った。CEST-MRI法によるグルタミン酸濃度分布の画像化に成功し、グルタミン酸濃度が増加するにつれてCEST効果が増加することを確認した。また、semi-LASER MRSイメージング法の撮像プロトコールを作成し、2HGおよびシスタチオニン濃度分布の測定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたCEST-MRI法によるグルタミン酸濃度分布の画像化およびsemi-LASER MRSイメージング法により2HGおよびシスタチオニン濃度分布の画像化に成功した。引き続き、CEST-MRI法によるグリシン濃度分布画像化の技術開発を行っていくとともに、開発した手法を生体(ヒト)へ応用していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
既知濃度・pH溶液を用いた基礎実験は順調に進んている。しかし生体へこの手法を応用する場合、生体への温度上昇作用(SAR)を最小化する効率的パルスシークエンスの開発が必要となる。また、生体の撮像では静磁場の空間的なズレが大きく、溶液ファントム実験と同様な撮像・解析法では画像化が困難となる場合がある。磁場不均一性の補正プログラムをさらに最適化し、さらなる画像均一性の向上を図っていく予定である。
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