研究課題/領域番号 |
23K14905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
小縣 綾 岐阜医療科学大学, 薬学部, 助教 (10805857)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | TLR4 / PETイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
治療薬がないアルツハイマー病(AD)において、発症前の早期診断はその発症や進行を阻止することにつながる。本研究では、ADの代表的病理であるアミロイドβの蓄積を予知するバイオマーカーになる可能性があるToll-like receptor(TLR)4に着目し、脳内のTLR4の局在や発現量を低侵襲的に可視化できる陽電子断層撮像法(PET)製剤を開発する。新規PET製剤として[11C]OG102を開発、小動物を用いたPETイメージング評価を実施し、in vitro/ex vivoで[11C]OG102のTLR4に対する特異結合性を検証する。本研究の達成により、ADの病態研究の飛躍及び早期かつ信頼性の高い診断につながる新規バイオマーカーを確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、アルツハイマー型認知症 (AD) の病態研究及び新規バイオマーカーとしてToll-like receptor (TLR) 4に着目した。TLR4はAD剖検脳において発現量が増加している。ADモデルマウスにおいても、TLR4は加齢により発現が増加し、アミロイドβが存在することでその発現量は更に増加することが報告されている。そのため、TLR4は、ADの代表的病理であるアミロイドβの蓄積を事前に予知するようなバイオマーカーになる可能性がある。根本的治療薬がないADにおいて、発症前の早期診断がADの発症や進行の阻止、もしくは、早期介入により進行を遅らせることにつながると考えられる。 本研究では、新規バイオマーカーとして脳内のTLR4の局在や発現量を低侵襲的に可視化する陽電子断層撮像法 (PET) 製剤を開発する。申請者は、リード化合物としてTLR4選択的阻害薬であるTAK-242が脳移行性を有し、脳内のTLR4と結合することを確認している。本研究では、このTAK-242をリード化合物とする新規11C-PET製剤を合成、小動物を用いたPETイメージング評価を実施することで脳移行性およびin vivoでの特異結合性を検証する。加えて、in vitro/ex vivoでも脳切片を用いて 新規11C-PET製剤のTLR4に対する特異結合性を検証する。本研究の達成により、ADの病態研究の飛躍及び早期かつ信頼性の高い診断につながる新規バイオマーカーを確立する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、低分子化合物であるTAK-242をリード化合物として新規11C-PET製剤を合成する。そのため、11Cー標識前駆体の合成を、4-(Hydroxymethyl)cyclohexanoneを出発原料として進めている。11Cー標識前駆体を合成完了後、標識化合成および脱保護反応を検討する予定である。また、脳内におけるTLR4の局在や発現量を検証するための抗体の選定等を実施し、in vivo/in vitroにおけるリガンドのTLR4に対する特異結合性評価の下準備を済ませた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、新規11C-PET製剤の標識前駆体の合成を完了させ、標識化合成の条件検討および脱保護反応の条件検討を実施する予定である。また、新規11C-PET製剤の合成ができ次第、ラットを用いたPET撮像を実施し、その脳移行性を検証する。一定の脳移行性を確認できたら、in vivoおよびin vitroにおいて、TLR4との特異結合性を検証する。
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