研究課題/領域番号 |
23K14918
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岸 徳子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (70963346)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 放射線治療 / 肺癌 / 心毒性 / 体幹部定位放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
正常肺の機能肺部分の照射を避けた機能肺温存SBRTは、放射線性肺臓炎の低減効果を示す。一方で、放射線性心毒性のリスクを考慮した機能心臓温存SBRTは行われておらず、その手法は未確立である。本研究の目的は、機能肺と心臓の線量を低減する機能心肺温存SBRTの治療計画手法を確立し、肺SBRTに伴う放射線性心肺毒性を最小化することである。本研究遂行により放射線性心肺毒性が低減すれば、本邦の肺SBRT患者における治療成績の向上につながるのみならず、肺SBRTの適応を拡大しうる。また、作成した線量分布モデルを新規患者に適応すれば容易に機能心肺温存SBRTの治療計画が可能となり、医療の質の担保が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、機能肺温存SBRTに加えて心機能評価と機能部分の心臓線量を低減する機能心肺温存SBRTを行うことで、肺SBRTに伴う放射線性肺臓炎と放射線性心毒性両方の有害事象を最小化する放射線治療計画手法を確立することである。 2023年度は放射線性心毒性リスク因子の解明および治療前心機能検査項目の選定を行うこととし、まずは肺SBRTにおける放射線性心毒性のリスク因子を明らかにすることを目的とした後方視的検討を行った。 京都大学医学部附属病院で5 cm以下の原発性・転移性肺癌に対してSBRTを施行した症例を対象とし、肺SBRT施行前後の患者情報と検査データ、放射線治療の線量分布データ、放射線性心毒性の情報等を収集した。 Grade 3以上の有害事象は5.7%(7例)であり、4年の全生存割合は58.2%、局所再発は17.1%であった。心毒性としてはGrade 3の心不全が2例、Grade 3の不整脈が1例、Grade 4の心嚢水が1例であった。第14回胸部腫瘍セミナーにて研究成果の概要の報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は2023年度中に放射線治療計画用CT上で、深層学習に基づく心臓自動輪郭抽出を行い、右房・右室・左房・左室・冠動脈等の各亜部位の照射線量を算出し、放射線性心毒性リスク因子を同定する予定であったが、データ収集に時間を要しており、現在収集中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度上半期に、2023年度予定分の放射線性心毒性リスク因子の解明および治療前心機能検査項目の選定を終了し、機能心肺温存SBRT治療計画の作成を行う予定である。下半期には従来のSBRT計画との比較検討を行い、機能心肺温存SBRTの実現可能性評価試験のプロトコル準備を行う。
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