研究課題/領域番号 |
23K14935
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構西新潟中央病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
伊藤 陽祐 独立行政法人国立病院機構西新潟中央病院(臨床研究部), 統括診療部, 医師 (70465243)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 超高磁場磁気共鳴装置 / てんかん / 限局性皮質形成異常 |
研究開始時の研究の概要 |
MRIで器質異常を認めない場合, てんかんの原因となるてんかん原性領域を推測することは困難である. そこで, 超高磁場M R I装置を用いて微細な器質異常を同定するとともに、全脳での磁化率を定量的に評価可能な手法である定量的磁化率マッピング(Quantitative Susceptibility Mapping: QSM) およびてんかん性の異常興奮と関連の深い神経伝達物質であるグルタミン酸濃度を定量的に測定する (Chemical exchange saturation transfer: CEST)-MRIを撮影し、てんかん原性領域の可視化手法を確立することが本研究の目的である.
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研究実績の概要 |
Chemical Exchange Saturation Transfer(CEST)法は,生体内の分子に 結合した水素原子と自由水の水素原子とでは共鳴周波数が異なることを活用して,生体内の化合物の計測を可能とするイメージング手法である。本研究では、薬剤抵抗性てんかんに対してCEST法を用いて脳内グルタミン酸濃度を測定し、CEST画像と頭蓋内脳波記録の結果を比較検討した。症例は、30代男性で薬剤抵抗性の焦点てんかんと診断され,術前評価が行われた.発作間欠時脳波では、左右側頭部に鋭波を認め、発作時脳波では発作起始が不明瞭であった。頭部MRIでは明らかな異常を認めなかったが、FDG-PETで左側頭葉先端部に糖代謝低下を認め、MEGでは左島皮質にECDの集簇を認めた。これらの結果より,左側頭葉てんかんの可能性を考えて頭蓋内電極を行う方針となった.術前に新潟大学脳研究所統合脳機能センターに設置してある超高磁場MRI装置(7T-MRI)を用いてGlutamate(Glu)-CEST MRIを撮像した.頭蓋内脳波記録では、左側頭葉先端部から側頭葉外側皮質の電極で発作起始を認め、側頭葉先端部から底部にかけての切除を行った。術後4ヶ月目にFocal Aware Seizure(FAS)の再発を認めたが術後1年時点でFocal Impaired Awareness Seizure(FIAS)は認めていない。術前に撮像されたGlu-CEST MRIでは、左側頭葉先端部にグルタミン酸濃度の上昇を呈しており,FDG-PET所見や頭蓋内脳波記録における発作間欠時の異常波と発作起始部に一致した。海馬頭部にもグルタミン酸濃度の上昇を認め、FASの残存との関連が疑われた。薬剤抵抗性てんかん患者の術前評価として,グルタミン酸濃度のCEST画像は、非侵襲的にてんかん原性を推測できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超高磁場(7T)MRI装置を用いてファントム撮影、健常ボランティアに対する撮影行なっている。ファントム撮影および健常ボランティアに対する撮影によりB1補正の最適化を行なっている。また、誘電パッドの作成を行なっているが側頭部の信号低下に対する問題解決には至っていない。16歳以上で発達遅延がなく超高磁場MRI装置で検査可能な薬剤抵抗性てんかん患者の対象者が少ないため、報告できた症例は1例のみとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
定量的磁化率マッピング(QSM)のControlデータおよびてんかん患者データから統計画像解析を行うために現在の撮影方法により年間10例のペースで健常ボランティアの撮影を行なっていく。薬剤抵抗性てんかん患者さんについては、研究者が在籍している国立病院機構西新潟中央病院でてんかんのロボット手術支援システムが2024年1月から導入されており、慢性頭蓋内脳波記録を実施する患者数は増加傾向にある。現在のところ、3例に対して超高磁場MRI検査を予定している。また、Glu-CESTの結果と慢性頭蓋内脳波記録の結果を比較し、GluCEST MRIによるグルタミン酸濃度増加部位がてんかん原性を示すかどうかについて引き続き検証を行なっていく。
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