研究課題/領域番号 |
23K14947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊尾 紳吾 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50759769)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 人体発生学 / 胎児発生 / 胎児医学 / 臓器発生 / 先天異常 / 産婦人科 / ヒト胚子・胎児 / 博物学 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト胚子・胎児標本は、ヒト臓器の発生過程を理解するための重要な情報源である。HE染色された組織切片の観察が、人体発生学の主な研究手法だった。高い空間分解能を備えた位相CT、MRI、X線装置の発展により胚子・胎児を立体的に再構築可能となった。視点を自由に変更可能な3次元可視化が有効となり、組織の発生過程や臓器の形態形成過程の解明が進み、人体発生学は著しい発展を遂げた。3次元を体感できるヒト胚子・胎児標本のデジタル媒体を作り出し、他分野の研究者を含む多くの方々に活用してもらうことで、更なる人体発生学の発展が期待される。本研究では、3Dホログラフィー技術を用いて、胎児の博物館を作ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
ヒト胚子コレクションは非常に貴重なリソースであるため、国内、国外ともに研究報告は限られています。本研究の目的は、臨場感に富むデジタルのヒト胚子標本を作成し、他分野の研究者や一般の方々にも、より身近にアクセスできる環境を構築することです。X線撮影装置、CTやMRIなど撮像機器の発達により、世界的にも極めて貴重なヒト胎児標本を破壊することなく多数利用した正確な形態解析が可能となってきています。それらの画像データと三次元形態の定量解析や可視化に優れた幾何学的形態測定学 (Geometric morphometrics) を組み合わせることにより、時間軸に沿った発生・形態変化を捉えることが可能です。 7テスラや3テスラの磁気共鳴画像(MRI)装置、位相CT装置を用いて、ヒト胚子・胎児標本の撮像を行いました。得られた画像データについて三次元画像処理ソフトウェア Amira を用いて体内器官を立体構築しました。これらのデータをホログラフィー技術を用いて、目の前に映し出されるヒト胎児デジタル博物館を創出していく予定としています。スムーズな四次元形態変化を描写できるように、さらに様々な発生段階の試料の横断的な撮像を行います。 三次元ホログラフィー技術のみならず、Augmented Reality(拡張現実)技術も急速に発展しており、両者を比較検討し、両者の組み合わせた描出方法も模索する予定としています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画においては当初、2023年度の主な目標としてヒト胚子・胎児標本の画像情報を取得することにしていました。主に使用するヒト胚子・胎児MRIデータ、CTデータは予定通り取得できた。 2023年度の第二の目標として、ホログラム加工アプリケーションを用いて、3Dモデリングデータを3Dホログラムディスプレイに投影可能な形式へ出力開始することを予定していました。3Dホログラム投影データ量の集積がやや遅れているため、3Dホログラフィーディスプレイの購入を見送り、研究計画に若干の変更が生じました。2024年度は3Dホログラフィーディスプレイを購入し、宙に浮かび上がるデジタル標本を作成する予定としています。必要に応じて、スムーズな四次元形態変化を描写できるように、さらに様々な発生段階のヒト胚子の撮像します。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は以下について行う予定である。 臓器別画像データの解析・映像化:高解像度ホログラフィーディスプレイ向けの臓器別画像データを作成する。ディスプレイへの投影実験を開始する予定としています。 スマートフォンホログラム:一般の方々向けにアクセスしやすいスマートフォンの出力を目的とした低解像度のヒト胚子・胎児デジタル全身標本データを作製する予定としています。
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