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貪食制御分子であるSIRPαを標的とした難治性神経芽腫の新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K14948
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

田村 彰広  神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (90841180)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード神経芽腫 / 抗SIRPα抗体 / 抗GD2抗体
研究開始時の研究の概要

神経芽腫は、集学的治療後も半数以上が再発する難治疾患で、小児の主要な死因である。申請者らは、がん細胞に発現するCD47と貪食細胞に発現するSIRPαが結合して形成されるCD47-SIRPα系が、がん細胞に対する貪食を抑制することを明らかにしてきた。申請者らは大規模な臨床検体を用いて神経芽腫がSIRPαを発現していることを発見した。そこで神経芽腫に対して抗SIRPα抗体の効果が顕著であることが期待される。本研究では、抗SIRPα抗体を用いた難治性神経芽腫の新規治療開発を行う。

研究実績の概要

まず初めに、実際の神経芽腫におけるGD2発現の頻度や強度を解析した。神戸大学医学部附属病院、兵庫県立こども病院で新たに診断された神経芽腫患者の腫瘍標本37検体に対し、抗 GD2 モノクローナルマウス抗体を使用し免疫組織化学染色を行った。
結果:組織学的分類は、低分化または未分化型神経芽腫が 27 例、分化型神経芽腫が 1 例、神経節芽腫結節型が 5 例、神経節芽腫混合型が 3 例、神経節腫が 1 例であった。 低分化または未分化型神経芽腫の 27 例のうち、GD2 の染色強度は 6 例で弱染色性、12 例で中間染色性、9 例で強染色性であった。GD2 陽性細胞の割合は 10 例で 50 ~ 90%、17 例で 90% 以上であった。分化型神経芽腫の1例ではGD2の染色強度は強染色性で、GD2陽性細胞の割合は90%以上であった。神経節芽腫結節型の5例では、未分化な神経芽腫の部分と分化した神経節細胞の部位により GD2 発現は異なるパターンを示した。神経節芽腫混合型の 3 例では、GD2の染色強度は1 例で中間染色性、2 例で強染色性であり、GD2陽性細胞の割合は 3 例とも 90% 以上であった。 神経節神経腫の1例では、GD2 の染色強度は弱染色性で、GD2陽性細胞の割合は 90% 以上であった。
本研究を通じて、神経芽腫患者の腫瘍検体における GD2の発現は非常に不均一であることが実証された。この成果については、第16回国際小児がん学会アジア大会(SIOP Asia 2024)で発表予定である。
さらに、GD2陽性細胞株とGD2陰性細胞株それぞれについて、抗GD2抗体と抗SIRPα抗体の併用効果を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、詳細な条件検討を行い、GD2免疫組織化学染色法を確立した。そして、実際の神経芽腫患者検体を用いたGD2の免疫組織化学染色データを集積し、臨床データとの統合的解析を行い、学会発表予定である。また、抗GD2抗体と抗SIRPα抗体の併用効果についても、条件検討が完了し、解析を開始している。したがって、おおむね順調に研究が進展している。

今後の研究の推進方策

In vitroおよびIn vivoにおいて、神経芽腫に対する抗GD2抗体と抗SIRPα抗体の併用効果を解析する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 神経芽腫におけるGD2発現の免疫組織化学染色解析2024

    • 著者名/発表者名
      田村 彰広
    • 学会等名
      第16回国際小児がん学会アジア大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 抗SIRPα抗体は抗GD2抗体による神経芽腫に対するADCP活性を増強する2024

    • 著者名/発表者名
      田村 彰広
    • 学会等名
      第16回国際小児がん学会アジア大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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