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ジストロフィンDp71欠失がミトコンドリア機能に与える病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14950
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

坊 亮輔  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10749188)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードDMD / Dystrophin / mitochondria / Duchenne型筋ジストロフィ / ミトコンドリア機能 / ジストロフィン / DP71
研究開始時の研究の概要

Duchenne型筋ジストロフィの責任遺伝子DMD遺伝子にはDp71アイソフォームが存在し、ユビキタスに発現する。申請者らはDp71がミトコンドリアにも局在すること、Dp71欠損DMD患者がミトコンドリア機能障害でみられる症状を高頻度に呈することを報告した。本研究では、Dp71欠損群がDp71非欠損群に比較してミトコンドリア機能障害が強いことを臨床、基礎の両面から明らかにする。
Dp71欠損患者と非欠損患者で血液検体、皮膚線維芽細胞、筋細胞を用いてミトコンドリア関連バイオマーカー、ミトコンドリア形態・機能の比較を行う。さらに、Dp71欠損患者由来細胞でミトコンドリア機能改善薬の効果を検討する。

研究実績の概要

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)はDMD遺伝子異常により発症する進行性筋萎縮症である。DMDでは筋力低下以外にも全身臓器におよぶ多様な合併症を呈する。この多彩な臨床像の原因の一つとして、申請者らのグループはジストロフィンのアイソフォームの一つであるDp71に着目し、これまでにミトコンドリア機能の障害で確認される低身長がDp71欠損群で非欠失群に比較して高頻度に認められる点、Dp71がヒトのミトコンドリアに局在する点などを研究成果として報告してきた。これらの結果は、Dp71欠損がDMD患者のミトコンドリア機能を障害する可能性を示唆するものといえる。そのため、本研究では以下の3点を明らかにする。①Dp71欠損群でのミトコンドリア機能に関係する多種のバイオマーカーの変動を非欠損群と比較する、②患者由来の皮膚線維芽細胞、筋細胞を用いてDp71欠損の有無によるミトコンドリア機能の違いを比較する、③Dp71欠損群にみられるミトコンドリア機能を改善させる可能性のある薬剤を探索的に検討する。本研究の成果は、DMD患者の多彩な筋外合併症とミトコンドリア機能の間を繋ぐ病態生理の解明に寄与するとともに、未だ治療法の確立しないDMDの筋外合併症に対する新規薬剤ターゲットの可能性を明らかにすることとなる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当院で受診歴のあるDMD患者のうち遺伝子変異が判明している245名を検討した。障害されるアイソフォーム別に検討するとDp71障害軍は19例(8%)であり、非常に少数であった。歩行喪失年齢に関してはアイソフォーム別に違いは認めなかったものの、Dp71群では19例中16例に明らかな精神発達遅延を認め(1例は詳細不明)、非常に高頻度であった。ミトコンドリア病の指標である乳酸値は外来の採血データで確認したが明らかな増加はみられなかった。今後はよりミトコンドリアに特異的な生化学指標での前向きの比較研究を予定しておいる。一方で進捗が遅れている原因としては多くの患者がコロナ感染などの影響をうけ当院でのフォローが途切れた患者がいることが考えられた。
また基礎研究の方ではDMD患者の凍結筋検体をアイソフォーム別に分類し筋芽細胞から分化させた筋細胞の培養を開始している。はじめに非DMD患者のボランディアの検体を用いて培養手技などを確認し筋管細胞への分化を確認済みである。今後はDMD患者のアイソフォームごとの細胞を使用した呼吸鎖活性などの比較を行う予定である。

今後の研究の推進方策

臨床患者のデータとしては今後前向き研究として血清をDp71患者群、それ以外で分けてGDF15や乳酸値などミトコンドリア機能に関わる生化学指標の比較を行う予定である。患者群が想定よりすくなく、またフォローが途切れている患者もいるため個別に連絡をとり研究へのリクルートをすすめていく予定である。また基礎研究では細胞外フラックスアナライザーを使用して酸素消費能の比較を行い呼吸鎖機能の測定を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Newborn Screening for Spinal Muscular Atrophy: A 2.5-Year Experience in Hyogo Prefecture, Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Sonehara Shoko、Bo Ryosuke、Nambu Yoshinori、Iketani Kiiko、Lee Tomoko、Shimomura Hideki、Ueda Masaaki、Takeshima Yasuhiro、Iijima Kazumoto、Nozu Kandai、Nishio Hisahide、Awano Hiroyuki
    • 雑誌名

      Genes

      巻: 14 号: 12 ページ: 2211-2211

    • DOI

      10.3390/genes14122211

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Product of serum Glucose level & Δ Anion Gap; a single-center study of hypoglycemic children2023

    • 著者名/発表者名
      Sungwon Hong, Ryosuke Bo, Shoko Sonehara, Atsushi Kondo, Hiroaki Hanafusa, Tomohiro Sameshima, Yoshinori Nambu, Kandai Nozu, Hiroyuki Awano
    • 学会等名
      先天代謝異常学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 血清アシルカルニチン分析で異常を認めない横紋筋融解症の症例に対して遺伝学的検査が有用であった3例2023

    • 著者名/発表者名
      曽根原 晶子、坊 亮輔、洪 聖媛、花房 宏昭、南部 静紀 、 森貞 直哉、粟野 宏之、野津 寛大
    • 学会等名
      先天代謝異常学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 先天代謝異常疾患の初期対応で選ぶ検査(治療)2023

    • 著者名/発表者名
      坊亮輔
    • 学会等名
      先天代謝異常学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 代謝性アシドーシスのABC2023

    • 著者名/発表者名
      坊亮輔
    • 学会等名
      先天代謝異常セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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