研究課題/領域番号 |
23K14962
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
升井 大介 久留米大学, 医学部, 助教 (90624495)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小児消化管機能検査 / 食道閉鎖症 / 小児消化器疾患 / 食道機能検査 / GERD |
研究開始時の研究の概要 |
小児の消化器症状は多岐にわたり、症状が明確に訴えられない小児では、QOL低下に至る。消化器症状と関連して、GERDは一般的に知られているが、過度の胃上げっぷであるexcessive SGB、反芻を繰り返すRSは成人の消化器内科分野で認知されているものの、小児ではいまだ解明されていないのが現状である。 本研究では、消化器症状を有する小児患者に24時間食道インピーダンスpHモニタリング検査と高解像度食道内圧検査を組み合わせて、GERD、excessive SGB、RSの存在を可視化することによって、小児の消化器症状と食道機能の関連を解明し、エビデンスに基づいた効率的で最適な治療法の確立を目的とする。
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研究実績の概要 |
前年度は小児、重症心身障害者に対して消化管機能検査を行うことで下記の結果が得られた。①消化管機能検査より反芻症候群と診断された1例:本症例では嘔吐に対して噴門形成術が予定されている症例であった。消化管機能検査で反芻症候群の診断となり、不要な手術が回避された。反芻症候群の診断は食道内圧検査と24時間食道pHインピーダンスモニタリングの併用が有用とされている。反芻症候群はGERD治療に準ずるものではないため適切に評価し、診断する必要がある。②重症心身障碍者における胃食道逆流に対する半固形栄養剤の有用性の検討:半固形栄養剤の使用は臨床的に誤嚥性肺炎、胃食道逆流症を疑う症例に効果的であると報告されている。しかし、客観的評価を行った報告は少ない。自験例においては2例とも半固形栄養剤によって症状の改善を認めた。24時間食道pHインピーダンス検査によって客観的に病態を評価することが可能となり、栄養剤の変更へと繋がった。③食道インピーダンスpHモニタリングでwaveform patternを観察することの重要性:現在まで24時間食道pHインピーダンス検査で波形に関して報告しているのは当施設しかない。年齢、疾患に応じて波形が異なるため、当施設では食道疾患が疑われる症状の患児に対してはフロチャートに沿った診療を行っている。上部消化管内視鏡検査は小児では全身麻酔を要するため、24時間食道pHインピーダンス検査が消化管の精査のスクリーニングとして有用な可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度から消化管機能検査について検査を行い、反芻症候群の診断、栄養の変更、術後評価を行うことが可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
食道インピーダンスpHモニタリング、高解像度食道内圧検査が小児領域で有用性であることが確認ができた。食道閉鎖症術後等の疾患別に今年度は評価を進めたいと考えている。
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