研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症は原因不明の疾患である.肺の血管に炎症が起こり進行する致死的な病態で,呼吸不全と心筋の機能低下(心筋リモデリング)が主な死因と考えられている.肺移植治療は有効であるが,日本では移植までの平均待機期間が長期間だと報告されている.今回,ヒトの肺動脈性肺高血圧と類似している低酸素ラットモデルに対して,浅原・増田らが開発したQuality-Quantity Cultured Cells (QQ細胞)を投与する.QQ細胞は①患者自らの細胞を使う,②病変部位へ集まり炎症を抑える,③手の届かない臓器に移行して効果を有するなどの特徴があり,安全に病態の進行を抑制し,改善する治療法となり得る.
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