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転写関連因子の遺伝子異常による発達障害の病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14997
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関愛知県医療療育総合センター発達障害研究所

研究代表者

西條 琢真  愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 研究員 (30836995)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード知的障害 / 神経発達 / 樹状突起形成 / DEAF1 / CTBP1 / 発達障害 / 遺伝子異常 / 転写関連因子
研究開始時の研究の概要

知的障害(ID)や自閉スペクトラム障害(ASD)の背景には発達期における大脳皮質構造や機能の障害が想定されるが、転写関連因子であるDEAF1やCTBP1遺伝子の異常によるIDやASDについては、その分子病態メカニズムはほとんど不明である。そこで本研究では、DEAF1およびCTBP1の遺伝子異常に基づく機能障害がどのようなメカニズムで発達障害を引き起こすのかについて解析する。

研究実績の概要

転写関連因子であるDEAF1遺伝子やCTBP1遺伝子の異常により、知的障害や自閉スペクトラム障害の発症が報告されている。しかしながら、これらの遺伝子異常による分子病態メカニズムは不明であり、本研究ではそのメカニズムの解明を目的としている。症例報告された遺伝子変異を基にDEAF1遺伝子の発現抑制ベクターおよびCTBP1遺伝子の変異体プラスミドを作製し、子宮内胎仔脳遺伝子導入法を用いて発達障害の病態を模倣したモデルマウスを作製して形態学的および電気生理学的解析を行った。DEAF1遺伝子については、遺伝子の発現を抑制することで大脳皮質2/3層錐体細胞において樹状突起形成が阻害されること、樹状突起スパインの密度が減少することが明らかとなった。また電気生理学的解析により、発現抑制によって錐体細胞の発火頻度の減少すること、錐体細胞への興奮性シナプス伝達が減弱することも明らかとなった。CTBP1遺伝子については、遺伝子変異体を過剰に発現させると、正常な遺伝子を過剰発現した場合と比較して大脳皮質2/3層錐体細胞の発生期における細胞移動の遅延が確認された。ただし、この細胞移動の遅延は発達とともに解消された。さらに、錐体細胞の樹状突起形成が阻害されることや樹状突起スパイン形成に異常が見られることも明らかとなった。また電気生理学的解析により、錐体細胞への興奮性シナプス伝達の減弱も明らかとなった。ここまでの結果では、DEAF1遺伝子とCTBP1遺伝子はともに、大脳皮質2/3層錐体細胞の樹状突起や樹状突起スパインの形成異常および細胞の興奮性の低下が病態に関与していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発現抑制ベクターや変異体プラスミドはスムーズに作製でき、マウスへの導入も効率よく行えた。それによりどちらの遺伝子についても有意な表現型が複数確認できており、研究計画は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は海馬の初代培養神経細胞を用いてin vitroでの形態解析を行う。また軸索伸長への影響も評価する。電気生理学的解析においては抑制性のシナプス伝達の評価やシナプス可塑性の解析を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Analyses of Conditional Knockout Mice for Pogz, a Gene Responsible for Neurodevelopmental Disorders in Excitatory and Inhibitory Neurons in the Brain2024

    • 著者名/発表者名
      Hamada Nanako、Nishijo Takuma、Iwamoto Ikuko、Shifman Sagiv、Nagata Koh-ichi
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 13 号: 6 ページ: 540-540

    • DOI

      10.3390/cells13060540

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Expression analyses of C-terminal-binding protein 1 (CtBP1) during mouse brain development2023

    • 著者名/発表者名
      Hamada Nanako, Matsuki Tohru, Iwamoto Ikuko, Nishijo Takuma, Noda Mariko, Tabata Hidenori, Nakayama Atsuo, Nagata Koh-Ichi
    • 雑誌名

      Developmental Neuroscience

      巻: - 号: 4 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1159/000534886

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 知的障害関連遺伝子CTBP1がマウス大脳皮質発達に果たす役割2023

    • 著者名/発表者名
      西條琢真、浜田奈々子、 岡本伸彦、 永田浩一
    • 学会等名
      第66回日本神経化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 知的障害関連遺伝子CTBP1の病的バリアントによる病態機能の解析2023

    • 著者名/発表者名
      西條琢真、柳久美子、浜田奈々子、要匡、岡本伸彦、永田浩一
    • 学会等名
      脳とこころの研究センター第8回東海地区連携拡大ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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