研究課題/領域番号 |
23K15000
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内藤 健夫 東北大学, 大学病院, 助教 (80808197)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 遺伝的背景 / rare variant解析 / genetics / whole exome sequencing |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)からなる炎症性腸疾患(IBD)の遺伝的要因は、これまでのGWASで発見された感受性遺伝子多型ではCDの13.6%, UCの7.5%の遺伝的要因しか説明できない。この原因の一つに、アリル頻度は低いがIBD発症に与える影響が非常に大きいrare variantの存在が挙げられる。本研究では、whole exome sequencingによる日本人IBD患者を対象とした網羅的なrare variant解析により、これまでのGWASでは捉えることが出来なかった新規IBD感受性遺伝子の発見や個別化医療につなげる事を目的とした。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究者のリクルートを行い、研究同意書を取得した(クローン病60件、潰瘍性大腸炎 50件)。さらに、問診や電子カルテから同対象者の発症年齢、家族歴、病型、罹病期間、手術歴などの詳細な臨床情報を収集した。同対象者の末梢血を採取しフェノールクロロホルム法を用いてDNAを抽出した。抽出後、DNA は、 TE 緩衝液に溶解し、 申請者施設に4 ℃で保存しておい、いつでもエクソームシークエンシングに提出できる状態となっている。また、すでに保有しているGenotyping arrayの情報と臨床情報を用いてVEOIBD遺伝子変異との相関を解析した。その結果、IL10遺伝子やMEFV遺伝子、NCF4遺伝子内に存在するのexonic variantがクローン病患者の肛門病変と強く相関している事を発見した。今後はエクソームシークエンシングの内容を追加して論文作成する予定である。 さらに、日本人健常者の全ゲノムシークエンシングデータ (WGS)として、当初は東北大学メディカルメガバンク (ToMMo)のデータを使用する予定であったので、利用申請を行った。しかしながら、倫理的な縛りが強く、解析のプラットフォームが限定されていることや、申請から利用開始まで数か月以上の時間がかかることが判明した。そこで、共同研究者と相談したところ、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)が所有する日本人健常者約10000人のWGSデータが比較的速やかに使用可能であることが判明し、現在申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初疾患対象群のシークエンシングデータとして東北大学メディカルメガバンクの全ゲノムシークエンシングデータ (WGS)の使用を予定していたが、手続きの複雑さから困難であると判断し、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)所有の日本人WGSに変更する方針となったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に当院所有のクローン病と潰瘍性大腸炎合計110検体の全エクソームシークエンシングを終了する。さらに、ナショナルセンター・バイオバンクネットワークへ健常者の全ゲノムシークエンシング使用許可を取得する予定。それらにより、本研究の解析に必要な準備がすべて完了する予定である。
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