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血中セロトニン濃度の変動が肝病態形成と回復に関与する詳細なメカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K15006
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

薛 徹  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40837184)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードセロトニン / 臓器連関
研究開始時の研究の概要

急性肝不全は予後不良である。よって、病態と密接に連関し、重症度を経時的に判断できる予後指標と、肝機能回復のための新規治療法を確立することは喫緊の課題である。近年、生体恒常性維持に機能する臓器間ネットワークに着目した病態解明の研究が活発に行われているが、申請者らは臓器間ネットワークを介して小腸で産生されるセロトニンが肝再生に与える影響に着目している。本研究では自律神経経路を介したセロトニン動態の変化が、肝疾患の病態進行や回復にどのように関わるか、その分子メカニズムを明らかにすることし、肝障害や肝不全の病態を臓器間ネットワークの観点でとらえ、新規予後指標や治療法開発に結び付けることを目的とする。

研究実績の概要

急性肝障害条件下での血清セロトニン(5HT)濃度の変化を、肝部分切除モデルを用いて調べた。モデルでは、左葉の切除(1/3PH)または左葉と中央葉の切除(2/3PH)を用いた。対照群(Sham)は腹膜切開のみを行った。サンプルは術後2日目と7日目、28日目に採取した。始めに肝臓の再生能力を確認するため、肝切除後の肝臓重量を時系列で測定した。肝切除により術後2日目の肝重量は切除範囲に応じて減少した。減少した肝重量は、切除7日後には術前のレベルまで回復した。
血清5HT濃度は、1/3PH群では術後2日目にコントロール群に比べ有意に低下した。 減少した5HT濃度は、切除7日後に増加傾向を示し、術後28日目には術前のレベルまで回復した。
血清5HT濃度と肝障害の重症度との関連に関して、1/3 PH群の血清トランスアミナーゼ値と血清5HT値の相関を検討した結果、血清AST値とALT値は血清5HT値と相関していた。
血中セロトニンの変化とセロトニン産生との関連を調べるため、小腸におけるtph-1の発現をRT-qPCRを用いて検討した。セロトニン産生の莉速酵素であるtph-1の発現は、コントロール群に比べ、PH群で有意に上昇した。 2/3PH群ではmRNAの発現がより顕著に上昇した。上昇したtph-1発現は7日目に高い傾向を保ち、28日目には正常レベルに戻った。 このように、肝切除による急性肝障害は、小腸でのセロトニン産生を亢進する一方で、血中セロトニン濃度は低下することが明らかとなった。
以上のように肝切除後にセロトニン産生が亢進する一方で血中セロトニン濃度は減少し、またその減少幅が血中トランスアミナーゼの上昇と相関することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、急性肝障害モデルを作成し一通りのサンプル採取を終了している。慢性肝障害モデルの作成は現在進行中である。

今後の研究の推進方策

慢性肝障害モデルでの血中セロトニン濃度の変化や、セロトニン産生・代謝のメカニズムを急性肝障害モデルと同様の手法で検討を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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