研究課題/領域番号 |
23K15015
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮田 辰徳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (80594887)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アルコール性肝炎 / ミトコンドリア代謝 / PGAM5 / RIP3 / MLKL / ネクロトーシス / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
これまで我々は、アルコール性肝炎に関するプログラム細胞死を研究し、その中でも特に、ネクロトーシスに着目してきた。ネクロトーシスの主要な蛋白であるRIP3およびMLKLは、ミトコンドリアに内在するPGAM5を制御することにより、ミトコンドリアの代謝を調整することが報告されており、アルコールによる肝障害と関連することが推測される。このような背景を踏まえ、アルコール性肝炎におけるネクロトーシス関連蛋白発現とミトコンドリア代謝制御の関係を明らかにし、肝炎による死亡率低下や肝癌予防のために重要なアルコール性肝炎の制御を行う革新的治療ターゲットを見いだすことを本研究の目的とした。
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研究実績の概要 |
Phosphoglycerate mutase 5 (PGAM5)及びDRP1はミトコンドリア分裂を促し、ミトコンドリアの機能障害による肝障害に寄与する。Pubmedに公表されている論文の中から、data sharingされているdataを用いて、アルコール性肝炎患者におけるPGAM5及びDRP1の発現(mRNAレベルおよび蛋白レベル)と臨床dataを収集し、臨床病理学的因子との相関関係について解析を行った。PGAM5及びDRP1はhealthy controlと比較し アルコール性肝炎患者において有意に発現が上昇していた。GSE28619のデータを用いた同様の解析(healty control:n=7, アルコール性肝炎患者:n=15)では、PGAM5において両群間に有意差は認めなかったが、DRP1はアルコール性肝炎患者で発現が上昇していた。 次に、我々の保有するアルコール性肝炎患者の切除肝サンプルを用いて、RIP3、MLKLおよびPGAM5の蛋白発現をウエスタンブロット法により評価した (Validation)。しかしながら、蛋白レベルではPGAM5はHealty controlに比べアルコール性肝炎患者では発現が有意に低下しており、mRNAの結果とは真逆であった。さらに、Drp1についても同様にウエスタンブロット法にてその発現を評価する。Drp1の発現で両群間に有意差は認めなかった。 mRNAレベルではアルコール性肝炎患者においてPGAM5及びDRP1が上昇しており、ミトコンドリア分裂による肝障害の可能性が示唆された。蛋白発現との乖離については今後さらにその理由について検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載の通りに研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
2年目はネクロトーシス関連蛋白RIP3, MLKLがPGAM5の発現やミトコンドリア分裂に寄与する否かについて細胞株、マウスモデルを用いた検証を行う。
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