研究課題/領域番号 |
23K15022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森 英毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90594581)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 体の「冷え」 / 消化管機能 / 機能性ディスペプシア / 消化管ホルモン / 消化管炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
機能性ディスペプシアは多因子が関連する疾患であり、明確な治療選択のメルクマールとなるべき所見が少ないのが実情である。申請者は西洋医学の視点には欠落している体の「冷え」という所見が、機能性ディスペプシアの治療指針を決定するための重要な所見になりうると考えた。研究方法としては、自覚所見・他覚所見により体の「冷え」のパターンを分析し、その分類と消化器症状・消化管運動・消化管ホルモン、十二指腸の微小炎症・ディスバイオーシスの関連性を解析する。 さらに、六君子湯を含む投薬治療の有効性を体の「冷え」のパターン毎に解析を行い、機能性ディスペプシア治療における治療指標の一つとしての確立を目指す。
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研究実績の概要 |
機能性ディスペプシアは慢性的に心窩部痛や胃もたれなどのディスペプシア症状を呈する症候群であるが、多因子が関連する疾患であり、明確な治療選択のメルクマールとなるべき所見が少ないのが実情である。 本研究は、西洋医学の視点には欠落している体の「冷え」という所見が、機能性ディスペプシアの治療指針を決定するための重要な所見になりうると考え、体の「冷え」と消化管機能の関係から機能性ディスペプシア治療の新機軸を創立する事を目的としている。 まず初めに健常者と機能性ディスペプシア患者を対象として、自己記入式問診票による消化器症状および「冷え」に関する自覚症状、腋窩温およびサーモグラフィーによる深部体温と体表温度の計測を行い、消化器症状と身体所見との比較を行い、機能性ディスペプシア患者では有意に「冷え」症状が強い事を示した。一方で、必ずしも体温と「冷え」の感覚が関連しておらず、「冷え」は温痛覚に関する感覚異常を含む概念である可能性が示唆された。 更に胃適応性弛緩能評価試験(緩徐栄養ドリンク試験)を健常者と機能性ディスペプシア患者を対象として施行し、有意に機能性ディスペプシア患者では胃耐容能が障害されている事、機能性ディスペプシア患者の空腹感は試験食飲用前から健常者に比べて低下しており、胃耐容能低下との関連が示唆された。 胃腸症状と腸内細菌叢、冷え症状との関連、十二指腸の炎症の関連について調査を行うため、被験者のエントリーおよびサンプルの採取を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胃耐容能および「冷え」症状、消化管症状を検討する研究は既にリクルートを終了し、解析・発表段階にある。消化器症状と腸内細菌叢、十二指腸の炎症、「冷え」症状との関連を検討する研究は現在、リクルートおよびサンプル採取を継続しており、2024年度もしくは2025年度の早い段階でリクルートを終了する予定である。おおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね計画書通りの進捗であるため、当初の計画通り遂行する。
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