研究課題/領域番号 |
23K15049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
杉本 充 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10722473)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | MIC-1 / 胆道癌 / GFRAL |
研究開始時の研究の概要 |
胆道癌は予後不良であり、有用な診断マーカー・新規治療法の開発が求められている。我々はmacrophage inhibitory cytokine 1(MIC-1)が胆道癌細胞から分泌され胆道癌を促進すること、胆道癌細胞はMIC-1受容体であるglial-derived neurotrophic factor family receptor α-like (GFRAL)を発現することを世界で初めて明らかにした。MIC-1がGFRALと結合した後の細胞内シグナル伝達、癌細胞の生存・増殖に関わる癌間質への影響を解明し、新たな胆道癌診断・治療法につなげる研究を行う。
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研究実績の概要 |
胆管癌・正常胆管の組織マイクロアレイを行い、Macrophage inhibitory cytokine-1 (MIC-1)およびその受容体であるGrial-derived neurotrophic factor family receptor α-like (GFRAL)が、正常胆管組織と比較し胆管癌組織で統計学的に有意に発現しているのが確認された。また、両者の発現は統計的に有意な相関がみられ、胆管癌の診断能は感度77-97%、特異度80-92%、AUC 0.90-0.95と有用な結果であった。これらの結果は、胆管癌の組織学的診断に両者の免疫染色が有用であることを示していた。 細胞実験においては総胆管癌細胞株であるTFK-1、肝内胆管癌細胞株であるHuCCT-1、正常胆管細胞株であるMMNK-1において、MIC-1の発現と分泌とを調べた。MMNK-1と比較し、TFK-1、HuCCT-1の培養液で有意に高値のMIC-1を認めた。また、MIC-1はTFK-1、HuCCT-1において、MMNK-1と比較して有意に高く発現していることをRT-PCRで確認した。次にTFK-1、HuCCT-1のMIC-1ノックダウン細胞株をレンチウイルスベクターを用いて作成した。MIC-1ノックダウンTFK-1・HuCCT-1はScrambleと比較して増殖能・浸潤能の低下がみられた。また、TFK-1に対してGFRAL-Abを添加しMIC-1を阻害すると、TFK-1の増殖能、浸潤能の低下がみられた。以上の細胞実験からGFRAL-AbによるMIC-1の阻害が胆道癌治療に応用できる可能性が示唆された。HuCCT-1においてもGFRAL-Abの効果を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の仮説通りの研究結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
MIC-1やGFRALの胆道癌における役割を調べるため、胆道癌間質への作用も調べることが望ましい。GFRAL-Abも胆道癌抑制効果を調べるのと並行して、血清GFRALの胆道癌診断能の解析、また胆道癌の癌関連線維芽細胞の培養も並行してい進める。
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