研究課題
若手研究
腸内環境は腸管運動に直接影響するため、そのセンサーである腸内分泌細胞は重要である。申請者らは、近位結腸において腸内分泌細胞のL細胞が短鎖脂肪酸を感知し、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)を放出して蠕動運動を促進させることを明らかにしている。これまで蠕動運動に関与する腸上皮細胞としてはセロトニンを分泌する腸クロム親和性細胞のみが着目されてきたが、L細胞は腸管運動の生理および病態機能におけるゲームチェンジャーとして期待される。そこで、L細胞はセロトニンなどによる調節を受けながら、腸内環境の変化に対応して蠕動運動を制御しているとの仮説のもとに、蠕動運動制御機構におけるL細胞の役割を解明する。