研究課題/領域番号 |
23K15056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 彩子 藤田医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (70939751)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 胆管癌 / 細菌叢 / 胆汁酸 / 胆管がん / オミックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
胆管がんの原因は、年齢・炎症・肝臓線維化・遺伝的要素などが関わっていると言われているが、明確な原因は未解明である。発生母地となる胆管上皮は常に胆汁に暴露されており、胆汁は胆管がんの発生と増悪メカニズムに寄与する可能性があると考えられる。申請者はこれまでに、胆管がん患者由来の胆汁を用いて、ロングリードシークエンスによる細菌叢解析を確立した。本申請研究では胆管がんの胆管環境に着目し、①胆汁におけるオミクス解析を通じた「胆管細菌叢」と「胆管胆汁酸」の関連性の解明および、②胆管がん上皮細胞の遺伝子発現レベルに対する生理活性分子を探索し明らかにする。
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研究実績の概要 |
腸内微生物叢と消化器疾患の間には関連性があると報告されている。次世代シーケンスの導入により、大量のゲノム配列の決定を処理できるようになり、これまで無菌であると考えられていた組織内の細菌叢を同定できるようになった。胆管もそのような組織の 1 つだが、胆汁中細菌叢に関する研究はほとんどない。 そこで、本研究では、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法 (Endoscopic retrograde cholangiography: ERC)で採取された胆汁に含まれる細菌叢のプロファイルを、胆管癌と総胆管結石とで比較した。本研究は横断研究であり、細菌叢の測定には16S rRNA ナノポアシーケンスを用いた。胆管癌患者からの 14 件と総胆管結石患者からの 45 件の合計 59 件の胆汁サンプルを分析した。また、液体クロマトグラフィー質量分析 (LC/MS) を使用して胆汁酸のプロファイリングを行った。 すべての胆汁サンプル中に細菌 DNA の存在が確認された。ナノポアシーケンスの配列決定により、総胆管結石に関連するサンプルより胆管癌由来のサンプルで、Bacteroides や Peptostreptococcalesを含む偏性および通性嫌気性菌が特徴的であることがわかった。また、胆汁酸においては、二次胆汁酸であるリトコール酸の濃度が、総胆管結石と比較して胆管癌由来のサンプルにおいて有意に減少していることわかった(p < 0.05)。 今回の結果は、胆管内細菌叢の存在を確認し、これが胆管癌と総胆管結石といった胆道病疾患の存在下では異なることが示唆された。
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