研究課題/領域番号 |
23K15095
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池上 龍太郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20815360)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 不安定プラーク / 自家蛍光 / マクロファージ / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、プラークの質的診断を可能とする技術として、近赤外線自家蛍光法(NIRAF)が注目されている。プラークが不安定化に伴って発する自家蛍光を検出することで不安定プラークの診断が可能となる。しかし、不安定プラークが自家蛍光を発するメカニズムや病態的意義は十分に解明されていない。本研究は、プラーク内に存在する貪食細胞のリソソーム機能不全とクリアランス機構の破綻が自家蛍光発生の主要なメカニズムであるという仮説を検証し、プラーク不安定化に果たす役割を明らかにすることで、NIRAFの診断的意義を確立するとともに、自家蛍光抑制に着目した新しい動脈硬化治療法の開発を目標とする。
|
研究実績の概要 |
マクロファージにおける自家蛍光発生のメカニズムについて、リソソーム機能低下により消化不良産物が細胞内に蓄積し、さらにオートファジー機能低下による損傷リソソームの除去機構破綻が関与しているという仮説について検証を行った。リソソーム阻害薬を添加すると自家蛍光は増強し、オートファジー賦活化薬によって自家蛍光は減弱することが確認され、リソソーム機能の低下が自家蛍光発生に関与していることが明らかとなった。シャペロン介在性オートファジー(CMA)は機能不全に陥ったリソソーム除去に重要な役割を担うと考えられ、自家蛍光発生細胞におけるCMAを評価した。酸化LDLを添加して5日間培養した自家蛍光発生マクロファージから抽出したリソソームにおけるLAMP2の発現は、自家蛍光非発生細胞よりも低下する傾向が見られ、CMAが減弱していることが示された。さらに、自家蛍光発生細胞における詳細なCMAの評価を行っていく予定である。また、自家蛍光粒子のプラーク内環境にける病態的意義を検証するため、自家蛍光発生細胞から超遠心法によりリソソームを抽出し、THP-1細胞や血管内皮細胞に添加して細胞応答を評価する実験を行っている。自家蛍光発生細胞から抽出したリソソームを添加すると細胞生存率が低下することから、自家蛍光発生細胞のリソソームは細胞障害性が強く、プラーク内環境にいて周辺細胞の細胞死誘誘導に働くであろうことが示唆される。この点について、さらに検証を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マクロファージから超遠心法によるリソソーム抽出アッセイの確立にやや時間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
おおむね仮説通りの実験結果が得られている。自家蛍光発生マクロファージから抽出したリソソームのサンプルを用いて、シャペロン介在性オートファジーの評価(step1)とプラーク内環境への影響(step2)についてのin vitroでの検証をさらに進めていく。
|