研究課題/領域番号 |
23K15102
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長尾 学 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70866029)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシス / 心不全 / トランスサイレチン蛋白 / 拡張機能障害型心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
トランスサイレチン型アミロイドーシスでは、肝臓で産生されるトランスサイレチン四量体が、加齢や遺伝子変異により、単量体に解離して変性を起こし、アミロイド線維を形成して、神経系・心臓をはじめとした様々な臓器へ沈着することで機能障害をきたす全身性疾患である。近年、心不全患者の約半数を占めるHFpEFや大動脈弁狭窄症の患者の中に、野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシスの症例が多く潜在していることが明らかにされた。一方、その診断は病理・画像診断によるところが大きく、臨床的に簡便な検査法は確立されていない。そこで本研究ではATTRwt心アミロイドーシス患者の血液を用いて、簡易診断法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
トランスサイレチン型アミロイドーシス(transthyretin amyloidosis; ATTR)では、肝臓で産生されるトランスサイレチン (transthyretin; TTR) 四量体が、加齢や遺伝子変異により、単量体に解離して変性を起こし、アミロイド線維を形成して、神経系・心臓をはじめとした様々な臓器へ沈着することで機能障害をきたす全身性疾患である。近年、心不全患者の約半数を占める“左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)”や重症大動脈弁狭窄症の患者の中に、野生型トランスサイレチン型 (wild-type ATTR; ATTRwt) 心アミロイドーシスの症例が多く潜在していることが明らかにされた。一方、その診断は病理・画像診断によるところが大きく、臨床的に簡便な検査法は確立されていない。そこで本研究ではATTRwt心アミロイドーシス患者の血液を用いて、簡易診断法の確立を目指している。 本年度は、血中のTTR蛋白にUrea、グアニジン塩酸塩といったタンパク質変性剤を添加してTTR四量体を解離させ、0~72時間のインキュベート後に残存するTTR四量体をELISA法で定量することで、TTRの安定性を評価する技術を確立した。本研究で用いる標識抗TTR抗体は独自に合成したもので、TTR四量体を高感度に認識する一方、単量体との反応性は低いことを確認済みである。本アッセイによって、ATTRwt心アミロイドーシス患者の血清のTTRタンパクの安定性を評価したところ、患者群で有意な安定性の低下を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度内の内の実行を予定してた一つ目の評価系については、十分なデータが得られ、論文投稿中である。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は2つ目の候補である測定系の開発に着手する。血液中のTTRタンパクは甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)と結合し、T4の輸送担体として機能している。本研究ではTTR Stability Assayの2番目の手法として、T4のTTRへの結合を定量する測定系を開発する。安定、不安定変異の入ったリコンビナント蛋白を用いて、TTR4量体を検出するために新たに合成したプローブの性能評価を行う予定である。
|