研究課題/領域番号 |
23K15117
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
高橋 佑典 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (70880912)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 心筋症 / サルコイドーシス / 介在板 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国で多い心臓限局性サルコイドーシス(isolated cardiac sarcoidosis: ICS)は心臓のみに炎症細胞浸潤を認める心筋疾患であるが、疾患発症メカニズムは不明であり、原因遺伝子の報告もない。申請者は心筋細胞発の炎症性シグナルに関与する介在板分子を独自に見出し、その希少変異をICS患者で同定した。この変異を導入したマウスは、心筋内炎症シグナルが亢進しており、ICSのモデルマウスとなる可能性を見出した。本研究では、モデルマウスの心臓組織を用いた共免疫沈降法と1細胞遺伝子発現解析によって本変異の炎症惹起メカニズムの解明を行い、ICSの病態生理の理解を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究計画では、「ミスセンス変異型AIPIDの炎症惹起メカニズムの解明」ならびに「ゲノムコホートを用いたAIPID遺伝子変異の探索」を目的とした。 共免疫沈降法による変異型AIPIDの結合蛋白探索のために、内因性AIPIDを免疫沈降できるモノクローナル抗体は1種類しか精製できていなかったが、新たな抗体スクリーニングにより、更に5種類のAIPIDモノクローナル抗体の同定と精製に成功した。今後はこれらの抗体を組み合わせることで共免疫沈降法のプロトコールを最適化していく。 変異型AIPIDノックインマウスの心臓組織を用いた1細胞遺伝子発現解析も既に行なっており、心筋細胞で変化した遺伝子群の同定を終えている。今後は検証実験ならびに非心筋細胞との相互作用の評価を進めていく。 また、申請者が同定したAIPIDミスセンス変異と同一の変異を有する別症例の探索を目的とし、複数のゲノムホートの探索を進めている。国内2施設の心筋症ゲノムコホートならびに英国の50万人ゲノムコホートであるUKバイオバンクを用いてAIPID 変異の探索を行った。今回と同一の変異は同定することはできなかったが、新たな候補変異を複数同定できた。今後はこれらの検証も進めていく。また、更に別のゲノムコホートを用いた探索も進めていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異型AIPIDの機能解析に加えて、ゲノムコホートを用いた探索研究を並行して行なっている。共免疫沈降法を用いた結合蛋白探索に関しては、評価系の最適化を重要視したため、当初の予定よりやや遅れているものの、免疫沈降が可能な5種類の抗体の取得に成功している。また、1細胞遺伝子発現解析やゲノムコホートの探索研究は期待以上に進めることができていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は共免疫沈降法を用いた変異型AIPIDの結合蛋白探索を進めていく。更に、1細胞遺伝子発現解析で得られた心筋細胞特異的な遺伝子発現変化の検証ならびに非心筋細胞との相互作用の評価を進めていく。また、AIPID変異の探索も新たなゲノムコホートを用いて進めていく。
|