研究課題
若手研究
心不全パンデミックに伴い増加する虚血性心不全による心室性不整脈は、致死的転機となり得るため、その機序のさらなる理解や治療法の確立が社会的な関心事となっている。従来、交感神経活性により生じるノルエピネフリンとその受容体(β受容体)カスケードの結果生じる心筋細胞内カルシウム濃度上昇が原因と考えられていたが、β受容体遮断薬を投与しても致死的不整脈を完璧に抑制することは困難であった。そこで、我々は交感神経活性で共放出される神経ペプチドY(NPY)とその受容体に着目し、これらの経路による心室性不整脈の可能性とその関与度合いを検討することとした。