研究課題/領域番号 |
23K15126
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
竹治 泰明 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (30972004)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 大動脈弁狭窄証 / 遺伝子 / Polygenic Risk Score / SNV / 予防医学 / 多遺伝子リスクスコア |
研究開始時の研究の概要 |
本邦では高齢化に伴い大動脈弁狭窄症患者は急激に増加しており、今後も増加の一途を辿ることが見込まれている。しかしそれに比して大動脈弁狭窄症の発症・進行メカニズムは十分に解明されておらず、その予防法についての報告は皆無である。本研究開発の目標は、遺伝的および疫学的アプローチにより、大動脈弁狭窄症の発症・進行リスクを解明することである。本研究開発は我が国ひいては世界における大動脈弁狭窄症に対する発症・進行予防戦略開発および個別化医療の契機となりうる。
|
研究実績の概要 |
大動脈弁狭窄症の発症・進行メカニズムは十分に解明されておらず、その予防法についての報告は皆無である。そこで本研究の目的は、遺伝的および疫学的アプローチにより、大動脈弁狭窄症の発症・進行リスクを解明することである。本研究では日本人特有の生活習慣や食習慣など1,000を超える独創的な調査項目を評価している19,000名規模のコホートを用いて、2011年以降蓄積されたデータより大動脈弁狭窄症の有無、進行、複合的臨床情報を継続して抽出・解析を行い、以下のPhaseに分けて研究を進めている。 ①Phase-1: PRSASの算出:PRSAS算出のため、全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)後のSNV解析データを行い、遺伝的連鎖不平衡を加味した民族横断的PRSAS算出を行う ②Phase-2 (2025年度): PRSASのイベント発症リスク層別化マーカーとしての有用性評価:大動脈弁狭窄症の進行および心不全、死亡をアウトカムとするCox比例ハザードモデルを用いた関連解析を行いPRSASのパワーを検証する。加えて、後天性環境要因も加味した層別解析を行い、遺伝的リスクが、特定の後天性環境要因によりキャンセルしうるかどうかを検証する。 本研究進行にあたり、大動脈弁狭窄症に臨床学的検討を行なっており、大動脈弁狭窄症の外科的および経カテーテル的大動脈弁置換術後の臨床成績について検討を行い、論文出版を行なった (Takeji Y, et al.Cardiovasc Interv Ther. 2024 Jan;39(1):65-73) 。また、大動脈弁狭窄症進行のハイリスク群である家族性高コレステロール血症患者における臨床学的特徴について検討を行い、論文出版を行なった (Takeji Y, et al.JACC Asia. 2023 Sep 19;3(6):881-891)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PRSAS算出のためのコホート内で遺伝学的検査の同意を得られた患者においてgenotypingを行なっており、現在1000例以上のgenotypingが終了している。引き続きgenotypingを進行中である。また、本研究実施にあたり、大動脈弁狭窄症の臨床学的検討を行なっており、大動脈弁狭窄症の外科的および経カテーテル的大動脈弁置換術後の臨床成績について検討を行い、論文出版を行なった (Takeji Y, et al.Cardiovasc Interv Ther. 2024 Jan;39(1):65-73) 。また、大動脈弁狭窄症進行のハイリスク群である家族性高コレステロール血症患者における臨床学的特徴について検討を行い、論文出版を行なった (Takeji Y, et al.JACC Asia. 2023 Sep 19;3(6):881-891)。 よって研究は概ね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きPRSAS算出のためのコホート内でのgenotypingを進めていく。またこれによって得られた遺伝学的データとコホート内の臨床学的データの統合を行い、心不全、死亡をアウトカムとするCox比例ハザードモデルを用いた関連解析を行う予定である。加えて、後天性環境要因も加味した層別解析を行い、遺伝的リスクが、特定の後天性環境要因によりキャンセルしうるかどうかを検証していく。 また、並行して大動脈弁狭窄症およびそのハイリスクとなりうる集団における臨床学的検討も並行して行なっていく予定である。
|