研究課題/領域番号 |
23K15137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
吉山 智貴 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (60778421)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心房細動 / 心不全 / マイクロRNA / カテーテルアブレーション / リバースリモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動によって心筋線維化が進行すると、心筋のリモデリングが進行する。治療により洞調律となることでリバースリモデリングが得られるが、治療介入の至適時期を逸するとリモデリングは不可逆的となる。抗線維化作用を有するマイクロRNAは、リモデリングと関連するが、心不全合併心房細動におけるその役割は未解明である。本研究ではアブレーション治療前後で血中抗線維化マイクロRNAを測定し、画像診断法によるリモデリング指標と比較することで、心筋リバースリモデリングや運動耐容能改善との関連を明らかにする。さらに、心機能改善予測やリスク層別化への応用を検証し、心不全合併心房細動の新規診断治療戦略の開発に繋げていく。
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研究実績の概要 |
まずは、当院で心房細動に対し、初回のカテーテルアブレーションを行い、さらにアブレーション時に静脈シースから採血が施行できた患者の臨床情報収集と解析を行った。該当患者は約200名おり、当初は心房細動の病期(発作性、持続性)、心房細動の持続期間、併存疾患の有無による、血中マイクロRNAの差異を解析するため、網羅的にすべての患者において血中マイクロRNAを測定することを検討していた。しかし費用面で現実的ではなく、対象を心不全患者に限定し、マイクロRNAの推移とその他の臨床所見を比較する方針とした。そこで心不全を有した心房細動患者が、アブレーション治療で心不全が改善する場合と改善しない場合があることに着目し、両者で血中マイクロRNAがどのような変化を示すかについて検討する方針とした。 測定する血中マイクロRNAは、左房低電位領域と相関し、アブレーションを受けた持続性心房細動患者の治療成績と関連すると報告のあるmiR-21と、アブレーションの心房細動再発の減少に有意に関連しており、構造的および電気的なリモデリングとの関連が示唆されているmiRNA-150に決定した。 術前に採血の検体を有し、アブレーション後から1年後の経過でも洞調律を維持し、さらにその際の採血サンプルも存在する患者約200名を抽出した。その臨床情報や1年後の経過をカルテから収取し解析を行った。その結果術前に心エコーで左室駆出率が50%未満であった患者は25名であり、まずはその患者で上記血中マイクロRNAを測定予定とした。本年度中に上記血中マイクロRNAの測定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初はアブレーションデータ、術前採血、1年後採血が検査可能である患者(約200名)で網羅的に血中マイクロRNAを測定することを検討していたが、費用面で難しく、血中マイクロRNAを測定する患者を絞る必要があった。 研究計画の変更に時間を要し、現時点では血中マイクロRNAの測定が行えていないため、研究の進捗状況としてはやや遅れていると自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
術前に採血の検体を有し、アブレーション後から1年後の経過でも洞調律を維持している患者を抽出している。さらに1年後の採血サンプルも存在する患者で、術前に心エコーで左室駆出率が50%未満であった患者で、心筋線維化に関与するmiR21、miR150を本年度中に測定予定である。 その結果と心房細動に伴う心筋リモデリング指標とされる、心エコー検査指標(左房径、左房容積、拡張障害、左心耳血流速度)やバイオマーカー(BNP、高感度トロポニンT、GDF-15、Ⅰ型コラーゲンに関与するマーカー)、CTによる心房周囲の脂肪組織量との関連を検討する。
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