研究課題
若手研究
生体が過度な還元状態に陥る還元ストレスは,酸化ストレスと対照的に不明点が多く,その理解が急務である.心臓は酸化-還元バランスの維持が特に重要な組織であり,酸化,還元ストレスのいずれもが心肥大を引き起こす.細胞膜間に過酸化水素を透過させるアクアポリン1 (AQP1) は酸化-還元バランスの調節に重要であり,本研究では心肥大病態に対する還元ストレスとAQP1との関係を明らかにする.心筋細胞および還元ストレス誘発性心肥大モデルマウスを用いて還元ストレスに対するAQP1の役割を解明し,心肥大を始めとした酸化-還元バランスの破綻が関係する疾患に対しAQP1が有用な治療ターゲットになる可能性を提唱する.