研究課題/領域番号 |
23K15165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
植田 瑛子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70848689)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | LDLアフェレシス / 動脈硬化 / アフェレシス / 末梢動脈疾患 / 潰瘍 / 血管内皮機能 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍を有する治療抵抗性の末梢動脈疾患(PAD)に対するアフェレシス療法の有効性が報告されているが、その機序については不明な点が多い。本研究では、アフェレシス治療前後の患者血液検体を用いて、潰瘍を有するPAD患者に対するアフェレシス療法の治療メカニズムを明らかにする。そして、治療効果と関連しているバイオマーカーの開発につながる基礎的知見を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
潰瘍を有する治療抵抗性の末梢動脈疾患(PAD)に対するアフェレシス療法の有効性が報告されているが、その機序については不明な点が多く、作用機序は報告によって異なり、どの機序が特に有効であるか、複数の因子間でどのような相互作用があるか不明である。そこで本研究では、下肢潰瘍病変を有するPAD患者に対するアフェレシス療法はどのようなメカニズムで潰瘍を治癒するか、そして治療効果と関連しているバイオマーカーは何であるかを探索することを目的とする。 2023年度には、正コレステロール血症を呈する維持血液透析患者等の従来治療抵抗性PADに対してアフェレシス療法を実施した先行研究のデータを解析し、維持血液透析患者のPADに対するアフェレシス療法が、血液中の低分子リポ蛋白(LDL)コレステロール値に依存せずに血管内皮細胞機能の活性化をもたらし治療効果を発揮すること、正コレステロール血症を有するPAD患者に対するアフェレシス療法が、抗酸化力の増大とともに内皮細胞機能を活性化して治療効果を発揮することなどを明らかにした (Ueda E, et al. J Atheroscler Thromb. 2024, in press)。また、新たに、レオカーナ(LDLコレステロール、フィブリノゲンを吸着する血液浄化器)を用いたLDLアフェレシス治療を受けた下肢潰瘍を有するPAD患者を対象とする臨床研究を開始した。本臨床研究では、アフェレシス治療前後の潰瘍を評価するとともに、治療前後の患者血液検体を用いてプロテオーム解析・メタボローム解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正コレステロール血症PADに対するLDLアフェレシスの臨床研究の残検体を用いた潰瘍の治癒に関わる因子の同定、および下肢潰瘍を有するPAD患者に対するレオカーナ治療前後の検体を用いた潰瘍病変の改善・増悪に寄与する因子の同定のための臨床研究は概ね予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究のデータおよびプロテオーム解析結果を分析し、潰瘍病変の改善・増悪に寄与する因子の同定を行う。アフェレシス治療前後の患者血清をヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に添加し、酸化ストレス・炎症・eNOSなどに与える影響を比較検討する。
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