研究課題/領域番号 |
23K15170
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
佐地 真育 東邦大学, 医学部, 講師 (90796541)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 成人先天性心疾患 / 手術リスク / 周術期合併症 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑心奇形を伴う成人先天性心疾患患者(Adults with Congenital Heart Disease: ACHD) は、生涯で複数回の手術を要することが多い。病態の複雑なACHDの周術期の予後予測は困難であり、客観性のある多面的な術前リスク評価が必要である。近年、欧米からACHDにおける手術リスク予測モデルが報告されたが、その煩雑さや多面性の欠如から臨床に根付いていない。日常では、単一の危険因子や医師の経験を頼りに、術前手術リスク評価が行なわれている。本研究の目的は、ACHDのデータベースを元にした、予後予測能の高い、臨床上有用な手術リスク予測モデルを開発することである。
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研究実績の概要 |
本テーマは成人先天性心疾患という概念の重要性が高まると同時に、重要性が増してきたテーマの一つである。特にファロー四徴症を中心とした小児期に開心術を要した患者が成人となり、再度心疾患に介入が必要な時期において、再手術、カテーテル治療のどちらを選択するかといったことが議論になることが増えてきている。現状では年齢や開胸回数、医師の経験、NYHA等の単独のリスク因子等から手術リスクが高い、低いなど、客観性を高める余地を残した議論が日常診療で行われている。どちらの指標が優れている、またはこの患者にはこちらの方がより合っている、といったことを客観性を持って判断するために、本テーマを着想した。本研究から生まれたリスクモデルを用いれば、成人先天性心疾患患者の再手術のリスクにおいて客観的な評価が可能となるため、現代の成人先天性心疾患領域において、重要な役割を担うと思われる。 本テーマで日本成人先天性心疾患学会において研究プロジェクトとして認定をいただいた。同時に同総会(第25回日本成人先天性心疾患学会・学術集会)の研究部会セッションの一つに認定頂き、同学会のセッションで2024年1月8日に20分の口頭発表を行い、成人先天性心疾患領域における本研究の重要性を改めてアピールすることができた。また他のWebinarを中心とした小規模講演会でも、複数回にわたり、本テーマを取り上げて頂き、発表するチャンスを頂いた。またこれらの結果、全国で14施設からの参加希望があり、多くのサンプルサイズが期待できる多施設研究になると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多施設研究であり成人先天性心疾患を多く扱う施設(ハイボリュームセンター)を含む計14施設で実施することを決定し、東邦大学一括で倫理申請を行い、各施設で事務調整を行っている。後ろ向き研究のサンプルサイズが多い研究であり、ある程度の時間をかければ目標のサンプルサイズに近づくと考えている。データが集まれば、統計ソフトを用いて解析を行うことができ、論文作成に着手できると思われる。概ね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
多施設研究であり成人先天性心疾患を多く扱う施設(ハイボリュームセンター)を含む計14施設で実施することを決定し、東邦大学一括で倫理申請を行い、各施設で事務調整を行っている。定期的に研究会や、各学会で本テーマを発表し、参加施設のモチベーションを上げるように心がける。またある程度のところで一度、全施設でのミーティングを行い、Enrollの確認、疑問、Enrollが進まない施設があれば、その理由を伺い、解決するなどの手段をとる。後ろ向き研究のサンプルサイズが多い研究であり、ある程度の時間をかければ目標のサンプルサイズに近づくと考えている。データが集まれば、統計ソフトを用いて解析を行うことができ、論文作成に着手できると思われる。各施設のEnrollが遅い場合は研究会等を行い本テーマの重要性を本参加施設のメンバーで確認し、団結を深める。2024年中にデータを集め、2025年に解析、論文投稿を予定している。
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