研究課題/領域番号 |
23K15213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岡林 比呂子 熊本大学, 病院, 特任助教 (80915463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 間質性肺炎 / ニンテダニブ / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症以外にも予後不良な進行性の線維化をきたす間質性肺炎のフェノタイプがあることが認識され、両者には抗線維化薬が使用されるが、効果は症例により様々だが機序は不明である。近年、肺において腸内細菌叢との間には重要なクロストーク(腸肺軸)があることが明らかになっているが、肺の線維化において動物モデルでは介在する腸肺軸の存在が示唆されているものの、ヒトでは未検討である。本課題では、慢性進行性線維化性間質性肺炎患者の便中細菌叢、便中代謝物を抗線維化薬導入前・後の変化と相応する臨床経過を明らかにすることで、ヒトにおける肺線維化を修飾する腸肺軸を理解するための基盤的な情報を提供することを命題とする。
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研究実績の概要 |
現在、特発性肺線維症、慢性進行性線維化性間質性肺炎の治療には進行抑制を目的として抗線維化薬が用いられている。しかし抗線維化薬であるニンテダニブの主な副作用である下痢や嘔気などの消化器症状が起きる機序についてはまだ不明な点が多く、腸内細菌叢の変化が関与している可能性も考えられる。また肺においては腸内細菌叢との間に重要なクロストーク(腸肺軸:the gut-lung axis)があることが明らかになっており、腸内細菌叢の変化が間質性肺炎の臨床経過に及ぼす影響について明らかにすることで、ヒトにおける肺線維化を修飾する腸肺軸を理解するための基盤的な情報を提供することを目的としている。 本研究では新規にニンテダニブを開始した特発性肺線維症、進行性線維化を伴う間質性肺炎患者の抗線維化薬の開始時、開始1ヶ月後、開始3ヶ月後、開始6ヶ月後の便検体の採取を行っている。当該年度の進捗状況としては目標20症例のうち、7症例の登録を行い、便検体の保存を行っている。引き続き対象症例の集積を行なっていく。また先行研究である特発性間質性肺炎と強皮症肺患者におけるニンテダニブ内服による消化器毒性のプロファイル比較の研究の解析を行い、結果をAsian Pacific Society of Respirology 2023において発表し、Rspiratory Investigationにおいて論文報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院において新規にニンテダニブを開始した該当症例の登録はほとんどの症例において実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
登録症例は20症例を目標としており、現在7症例の登録を行うことができている。特発性間質性肺炎の難病申請基準、重症度基準の変更に伴い、抗線維化薬導入症例の増加が今後は見込まれ、他院からの紹介依頼も含め、症例の集積につき努力していく予定である。
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