研究課題/領域番号 |
23K15229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大西 啓右 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60801397)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 敗血症 / 急性腎障害 / 低体温 / ガレクチン-9 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症では一般的に発熱を認めるが、低体温症を呈すると急性腎障害(AKI)の発生頻度が高く、死亡率の上昇と関連している。AKIは敗血症に由来するものが多く、未だ特異的な治療法がない。またガレクチン-9(Gal-9)は恒常性を保つ免疫調節物質として知られ、種々の疾患における治療薬として期待されている。これに対して申請者はGal-9がエンドトキシン投与で誘導される低体温を防ぎ、腎障害を軽減することを明らかにした。そこで本研究では、体温中枢である視床下部と腎臓との関連に着目することで、敗血症時におけるGal-9を介した視床下部-腎臓連関のメカニズムを解き明かす。
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研究実績の概要 |
エンドトキシン投与下でGal-9や温度による尿細管細胞への影響を同定するために、ヒト尿細管培養細胞にエンドトキシンであるリポポリサッカライド(LPS)を投与し、尿細管障害を誘導した。37℃においてsaline群と比べてLPS群では、濃度依存性に尿細管障害マーカーであるNGALのmRNA発現が上昇した。また低温群(33℃)では同様にLPSの投与を行うと、LPSの濃度依存性にNGALのmRNA発現が上昇したが、37℃群と比較すると全体的にNGALのmRNA発現量は抑えられており、低温環境下ではLPSによる尿細管障害が抑えられる可能性がある。 また敗血症モデルマウスでのGal-9の保護効果の検証を行うために、マウスに麻酔下に盲腸結紮を行い、針で盲腸に穴をあけ腹膜炎を発症させる(CLPモデル)ことで敗血症を起こすモデルを採用している。しかしCLPモデル作成が容易ではないことや個体間での表現型のばらつきが大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養実験においては低温群では尿細管障害を抑えられる可能性があるが、低温群で24時間培養すると細胞形態の変化や細胞剥離を起こしているため、37℃との比較するためには培養条件の設定が必要と考えている。また敗血症モデルマウス作成ではCLPモデルでの作成が困難であり、本実験まで到達していない。
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今後の研究の推進方策 |
尿細管培養細胞の培養条件の設定、尿細管障害を評価する際にmRNAだけでなく、培養上清のNGALの測定を行う。培養条件などが整えばLPS投与時にGal-9投与によって尿細管障害マーカー、炎症性サイトカインを測定し、尿細管障害の程度を評価する。また温度との関連をみるために、培養温度を通常群(37℃)低温群(33℃)に分けて同様の実験を行い、尿細管障害の程度に違いがあるかを評価する。 敗血症モデルマウス作成ではCLPモデルの代わりとして糞便懸濁液投与による敗血症モデルなど病態モデルの変更を検討している。
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