研究課題/領域番号 |
23K15237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 峻也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60962280)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ネフロン数 / 腎部分切除 / 単一糸球体濾過量 / 動脈硬化 / 糸球体過剰濾過 |
研究開始時の研究の概要 |
腎障害進展の中核的メカニズムと考えられている糸球体過剰濾過説は実験モデルに基づいており、ヒトでは技術的困難さから実証されていなかった。近年、申請者が改良した単純CT画像と病理組織所見に基づく糸球体数の推算により、一つあたりの糸球体の濾過量を表す単一糸球体濾過量を算出することが可能となった。申請者が、東京慈恵会医科大学泌尿器学講座・病理学講座と協同し立案した後ろ向きコホート研究の参加者を対象として、単一糸球体濾過量と腎予後との関連性を明らかとすることを目的とする。単一糸球体濾過量と腎予後との関連性を明らかにすることで、単一糸球体濾過量を標的として治療を最適化する可能性を示唆できる。
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研究実績の概要 |
本研究課題は腎部分切除後患者を対象として、残存腎ネフロン数・残存単一糸球体濾過量と腎機能障害との関連性を示し、個々の治療の最適化に資することを目的としている。 残存腎ネフロン数の算出には腎臓CT画像から計測した腎実質体積、腎臓病理プレパラート画像から計測した三次元糸球体密度が必要である。また単一糸球体濾過量は糸球体濾過量を残存腎ネフロン数で除した値として算出される。そこで、まず腎臓CT画像、腎臓病理プレパラートの利用可能な腎部分切除後患者約150名の同定を行った。 さらに、画像解析およびデータセット管理コンピューターを購入し、データの保存と解析を行った。具体的には、腎部分切除後患者のベースラインおよび追跡のデータセットを作成した。続いて、腎臓CT画像の画像取り込みを行い、専用ソフトSlicer、TotalSegmentatorを用いて残像腎臓体積の計測を行った。その結果、腎臓の残存体積は既存の報告と同程度の体積であった。また、残存腎体積と追跡開始時の腎機能や腎機能障害の発生は有意に関連していた。これらは既報に矛盾しないことから、腎体積の計測の妥当性が示されたと考えられた。 さらに、腎臓病理プレパラートの取り出しおよび顕微鏡画像の取り込みを行った。今後は病理画像を用いて形態計測を行い、三次元糸球体密度を中心とした病理画像解析を行う予定である。続いて、残存ネフロン数の算出を行い、最終的には残存ネフロン数と腎機能障害の関連性を示す方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、対象者の同定および腎臓のCT画像解析まで行っている。腎実質体積の測定値、腎機能との関連性は既報に矛盾せず正しく計測できていると考えられる。今後、病理画像解析を推進していく。
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今後の研究の推進方策 |
病理画像を用いて形態計測を行うには多くの時間を要する。糸球体の同定を行うAIを開発し、効率化を図ることを検討している。
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