研究課題/領域番号 |
23K15248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝比奈 悠太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90869934)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 植物性蛋白食 / 慢性腎臓病 / 尿毒症物質 / 代謝性アシドーシス / 骨ミネラル代謝異常 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)の進行抑制を目的とした食事療法として蛋白質制限食が推奨されているが、蛋白質の組成については知見が乏しく、植物性蛋白質と動物性蛋白質の適正比率は明らかではない。植物性蛋白質主体の食事(以下、植物性蛋白食)は進行したCKD患者に生じる尿毒症物質の蓄積、代謝性アシドーシス、骨ミネラル代謝異常等を改善させることでCKDの進行抑制に有用である可能性がある。本研究課題は推算糸球体濾過量(eGFR)20 mL/分/1.73m2未満の保存期CKD患者に対する4週間の植物性蛋白食の効果を検証することを目的とした世界で初めてのランダム化比較試験である。
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研究実績の概要 |
慢性腎臓病(CKD)患者の食事療法に関する国内外のガイドラインでは、CKD領域における植物性たんぱく食に関するエビデンス不足のため、植物性たんぱく比率に関する具体的な推奨はない。本試験ではeGFR 20 mL/分/1.73m2未満の保存期CKD患者を対象に植物性たんぱく食の有用性を評価するランダム化比較試験である。日本人の植物性たんぱく質摂取比率平均値が50%であることから、植物性たんぱく質比率 50%と70%の食事を比較する。評価項目は血中尿毒症物質(インドキシル硫酸、パラクレシル硫酸、トリメチルアミン-N-オキシド)、血中重炭酸濃度、骨・ミネラル代謝マーカー(リン、カルシウム、インタクト副甲状腺ホルモン、線維芽細胞増殖因子23)、血清短鎖脂肪酸濃度、腸内細菌叢(16S rRNA菌叢解析)である。安全性評価として血清カリウム値を測定する。また、食事アドヒアランスの評価を行い、高いアドヒアランスを維持するための献立構成に関する基礎情報を収集することを通じて、将来的なCKD領域における植物性たんぱく食普及を目指す。 試験食購入費や測定費の高騰により、食事介入期間を4週間に変更して本試験を実施した。既に目標症例数である40例のエントリーが完了し、全症例が介入期間を終了した。 preliminaryな解析では、植物性たんぱく食群で血清カリウム値が有意に上昇しなかったことを確認した。この結果から、進行したCKD患者に対しても本食事療法が安全に適用できる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標症例数である40例のエントリーが完了し、全症例が介入期間を終了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、採取した血液・便サンプルを用いて各種評価項目の測定を行い、植物性たんぱく食の有用性を評価する。また植物性たんぱく食と通常食のアドヒアランスを比較する。
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