研究課題/領域番号 |
23K15250
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 公彦 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50898161)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 血液透析 / 腎不全 / Calciprotein particle |
研究開始時の研究の概要 |
腎不全患者における血液透析は、非感染性慢性血管炎症を誘発し、心血管イベントを介して透析患者の生命予後に大きく影響することが指摘されている。我々は腎不全の進行に伴って増える血漿Calciprotein particle (CPP)が、透析によってさらに増加することに着目し、CPPの中でも特に結晶性の高まった2ndCPPが血管慢性炎症を強く誘発することを見出してきた。そこで本研究では、透析誘発性の心血管病やサルコペニアにおいて、2ndCPPがマーカーになりうるかを調べ、また予防あるいは治療の手段として、2ndCPP制御の有用性を検討していく。
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研究実績の概要 |
腎不全患者における血液透析は、非感染性慢性血管炎症を誘発し、心血管イベントを介して透析患者の生命予後に大きく影響することが指摘され、その慢性血管炎症がサルコペニアと深い関係を持つことを明らかにしてきた。腎不全の進行に伴って増える血漿Calciprotein particle (CPP)が、透析によってさらに増加することに着目した。CPPは時間経過とともにリン酸カルシウムの結晶化が進行してhydroxyapatiteに変化し、より高比重のsecondary CPP(2nd CPP)になり、2ndCPPが血管慢性炎症を強く誘発することを見出した。このことから、2 ndCPPが心血管病やサルコペニアのマーカーになり、これを制御することで治療効果が得られるとの仮説を立てた。これらを明らかにできれば、これまで有効な手立てがなかった透析誘発性の心血管イベントやサルコペニアの新たな予防あるいは治療法の開発につながる。令和5年度は、協力研究協力病院より血液透析患者120名の観察研究の同意を得た。定期血液検査の際に5ml追加で血液を採取した。CPP測定のため、血漿を保存した。6ヵ月後の血液採取は今後予定している。併せて、冠動脈CT検査、アンモニアPET検査で、血管の石灰化を評価するサルコペニアについては継続的に運動療法が施行可能な患者は行われており、引き続き継続する。In body検査で筋肉量を測定する。以上のようにデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血漿は保存したが、CPPの測定がまだできていないため。
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今後の研究の推進方策 |
CPPの測定を自治医科大学抗加齢医学研究部に出向き、gel filtration とosteosecseを用いた、CPPの測定を行 う。当施設でも行い、当施設ではCPPは液体窒素で凍結保存を行う。解凍後、そのまま測定を行うものと、24時間恒温したもの と、2種でCPPの測定を行う。さらに、6ヶ月後の血液検査でも行う。集めた症例のデータを統計学的に検討し, CPP値が臓器血流特 に心筋血流予備能と関連するか、あるいは大動脈弁口面積と関連するか、また冠動脈、大動脈の Ca Score関連するか、骨格筋肉量と関連するかを検討する。
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