研究課題/領域番号 |
23K15256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
亀島 佐保子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20868236)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 二次性副甲状腺機能亢進症 / 慢性腎臓病 / CKD-MBD / Gcm2 / PTH / 細胞増殖 / 慢性腎不全 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病患者は二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)によるPTHの分泌亢進と副甲状腺の細胞増殖を特徴とし、骨病変のみならず血管石灰化を引き起こし死亡率が高くなる。進行したSHPTは治療抵抗性となり新たな治療法が求められている。 申請者はPTHの分泌に関与し、副甲状腺発生に必須であるGcm2の機能解析の中で、Gcm2が成獣の副甲状腺細胞の増殖を制御することを新たに発見したが、SHPTにおける細胞増殖がGcm2によってどの様に制御されているのかは明らかではない。本研究では、SHPTにおけるGcm2遺伝子の関与を明らかにし、副甲状腺特異的な新たな治療ターゲットを見出すことを研究目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)の病態におけるパラサイロイドホルモン(PTH)分泌および副甲状腺の細胞増殖に、副甲状腺発生に必須の転写因子であるGlial cells missing homolog 2 (Gcm2)遺伝子が関与しているのかを検証することを目的とする。異常な増殖能やPTH分泌を示す細胞がどのような特徴を持つ副甲状腺細胞なのかを明らかにする事による二次性甲状腺機能亢進症の病態解明から、治療の創薬のアイデアにつながると考える。 6週齢の雄C57BL/6Nマウス、および申請者が有するGcm2fl/fl;Gt(ROSA)26Sortm1CreERT2/tm1CreERT2マウスのGcm2 conditional KOマウスを使用し、アデニン含有高リン飼料の6週間投与後でSHPT のモデルマウスの作製をした。 モデルマウスを使用し、トランスクリプトーム解析により遺伝子発現の差を確認した。SHPT環境下のコントロールマウスとcKOマウスにて有意差のある数種類の遺伝子を用いて、多重蛍光標識が可能なISH-HCR(hybridization chain reaction)法により副甲状腺細胞の分類を行った。 ミネラル代謝に関する採血検査を施行し、SHPTモデルのGcm2 cKOマウスにてもPTH高値を認め、またISH-HCRでもPTH発現を認めたため、Gcm2 の関与でSHPTの病態で副甲状腺のPTH分泌抑制は認めないことが示唆された。成獣の段階でのconditional KOマウスであるため、副甲状腺細胞はすでに発生しており、各々の副甲状腺細胞における分泌量に関してはISH-HCRのシグナル強度を数値化して定量できるように検証していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は二次性副甲状腺機能亢進症のマウスモデル作製に時間を要したが、コントロールマウスとconditional KOマウスを用いて、生化学的検査や組織学的検査の比較を行うことが可能であった。研究遂行にあたり障壁になるような事象もなく、本研究計画をおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
Gcm2とPTHの関連性について昨年度は検証しており、今年度はSHPT における副甲状腺細胞の増殖にGcm2 の発現量の違いが関与するかを検証する。SHPTモデルマウスの副甲状腺組織におけるGcm2の発現をreal-time RT-PCR、高感度in situ hybridization、免疫染色等で明らかにし、SHPTの経過におけるGcm2発現変化を解明し、発現量と細胞増殖との関連性を調べる。
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