研究課題/領域番号 |
23K15269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野村 隼人 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (40897873)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 乾癬 / EBI3 |
研究開始時の研究の概要 |
尋常性乾癬の病変部表皮角化細胞は過剰な細胞増殖と免疫応答を示している。我々は、乾癬病変部を模倣したサイトカイン刺激により表皮角化細胞におけるEBI3の遺伝子および蛋白の発現が増強すること、乾癬患者の病変部でEBI3の発現が上昇していることを見出した。EBI3を含むサイトカインとして、IL-27、IL-35、IL-39が挙げられるが、乾癬における役割は明らかでない。 本研究の目的は、globalおよび表皮特異的Ebi3ノックアウトマウスを用い、そのフェノタイプを解析すること、さらにイミキモド誘発乾癬モデルを用いることで、EBI3含有サイトカインの乾癬病態形成への関与について検討することである。
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研究実績の概要 |
我々は乾癬病変部を模倣したサイトカイン刺激によって表皮角化細胞におけるEBI3(Epstein-Barr virus-induced gene 3)の発現が増強することを見出した。EBI3を含むヘテロ二量体サイトカインとしてIL-27(EBI3とp28)、IL-35(EBI3とp35)、IL-39(EBI3とp19)が挙げられるが乾癬病態における意義は分かっていない。本研究で我々はEbi3コンベンショナルノックアウト(KO)マウスとCre/loxPシステムを用いた表皮特異的Ebi3ノックアウトマウスKeratin5(K5)-Cre Ebi3 Floxedマウスを作成し、イミキモド誘発乾癬モデルを用いることでEBI3の乾癬病態形成への関与について検討する。Ebi3KOマウスの右耳にイミキモドを5日間連日塗布しイミキモド誘発乾癬モデルマウスを作成した。野生型と比較し耳介が厚くなる傾向を示し、組織学的に表皮の肥厚、炎症細胞の浸潤が強くみられた。定量PCRにおいて皮膚でのTNF、IL-6、IL-17A、CCL20などの炎症性サイトカイン、ケモカインの遺伝子発現が亢進した。表皮特異的にEbi3をノックアウトしたマウスによるイミキモド誘発乾癬モデルでも同様に検討した。野生型と比較し耳介の厚さ、炎症性サイトカインの発現に差は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作成予定の遺伝子改変マウスは完成し遺伝子欠損は確認できた。順次乾癬モデルマウスを用いて検討を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果の再現性の確認、ELISA法、または免疫染色法による検討を行う。また、イミキモド以外の乾癬モデルマウスとして、テープストリッピング法やIL-23皮下注乾癬モデルの使用を検討する。同様に耳厚を測定するとともに、皮膚の肉眼的炎症所見、組織学的所見、皮膚組織中のサイトカイン、ケモカイン、抗菌ペプチド、表皮分化マーカーの発現をリアルタイムPCR法、ELISA法、または免疫染色法を行う。
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