研究課題/領域番号 |
23K15275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
飛田 知央 順天堂大学, 医学部, 博士研究員 (60973451)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 皮膚 / かゆみ / 表皮肥厚 / ゲノム編集 / 遺伝子改変動物 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患では、表皮の厚みが増す「表皮肥厚」と呼ばれる現象が観察される。アトピー性皮膚炎の患者では、表皮の厚みが厚いほどかゆみが増すという報告がされている(Kishi et al., 2023)。本研究では、アトピー性皮膚炎の皮膚で発現が変動する遺伝子を探し出し、解析の候補となる遺伝子を選定する。候補遺伝子のノックアウトマウスをゲノム編集技術CRISRR/Cas9により作製し解析することで、表皮肥厚とかゆみの関係性に迫る。
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研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎等の炎症性皮膚疾患でみられる「表皮肥厚」とかゆみの関係性を解析するにあたり、アトピー性皮膚炎の病変部の皮膚で発現が変動している遺伝子に着目した。病変部の皮膚と健常者の皮膚で遺伝子発現を網羅的に解析するデータセットを公共データベースより検索し、再解析を実施した。複数の異なるデータセット間で共通して変動している遺伝子のうち、表皮肥厚を引き起こすサイトカインIL-22に応答する遺伝子を選択した。得られた遺伝子リストのうち、特にノックアウトマウスを用いた解析が実施・報告されていないものを選択し、現在までに24個の遺伝子を候補としてリストアップしている。これらの候補遺伝子を、3種類のそう痒性皮膚疾患(ドライスキン、アトピー性皮膚炎、乾癬)モデルマウスの皮膚組織を用いた定量RT-PCRにより解析した。現在はアトピー性皮膚炎で発現が上昇している遺伝子A、減少している遺伝子Bを解析候補として、ノックアウトマウス作製に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、2023年度ではノックアウトマウス作製にあたり候補とする遺伝子の選定を行い、計24遺伝子を候補としてピックアップした。一方本年度では、電気穿孔法を用いたCRISPR/Cas9システムの導入による2系統のノックアウトマウスの樹立まで実施することを計画していたが、これまでに得られた産仔はすべて野生型であった。トラブルシューティングを行い、次年度早期にノックアウトマウスを作製する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では、電気穿孔法の試薬や器具等を見直し再度実施する。候補遺伝子AおよびBのノックアウトマウス作製後、機能解析を実施する。具体的には、得られたマウスの定常状態の皮膚組織、リンパ球、神経組織の解析、ならびにそう痒性皮膚疾患モデルマウスにおける皮膚組織像、かゆみ行動、かゆみ感受性などの変化を解析する。また、候補遺伝子の機能に詳細に迫るため、培養細胞を用いたin vitroでの解析に着手する。ケラチノサイト細胞株、あるいは初代培養を用いて、レトロウイルスベクターによる候補遺伝子の強制発現、CRISPR/Cas9システムを用いたノックアウトを計画している。ウイルスベクターによる強制発現、CRISPR/Cas9システムによるノックアウトを行った細胞は、3次元皮膚モデルに供し、組織学的解析ならびにバリア機能の解析を実施する。加えて、上述した候補遺伝子以外のアトピー性皮膚炎関連遺伝子に関してもノックアウトマウスの作製と解析を計画している。
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