研究課題/領域番号 |
23K15284
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小亀 敏明 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00744111)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | iSALT / 非典型的B細胞 / リンパネットワーク / 皮膚局所免疫 / 三次リンパ濾胞 / MALT |
研究開始時の研究の概要 |
MALTは腸の局所免疫ネットワークを形成している。当研究室はマウスの皮膚局所の炎症細胞集塊がT細胞活性化に必須であることを発見しMALTの皮膚対応物としてinducible SALT(iSALT)と命名した。一方、ヒトでのiSALTの存在はほとんど検証されていない。本研究においては、ヒト皮膚サンプルの皮膚リンパ濾胞構造に存在する形質細胞の特徴を解析し病態生理に関わっているか検討し、iSALTがヒトにおいても皮膚局慮の免疫ネットワークとして存在し機能していることを明らかにする。本研究成果は、ヒト皮膚疾患の理解と新たな治療戦略立案に貢献する。
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研究実績の概要 |
皮膚の局所ネットワークとしてのiSALTが存在するかどうかの検討としてinductive siteとしてのリンパ濾胞内に、J-chainの発現を認めていたが、その関連因子もスクリーニングの結果可溶性IgAの分泌に関連する遺伝子の発現を確認した。次に、これらの因子の免疫染色を用いて、様々な疾患にてスクリーニングを行った。その結果、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症などリンパ濾胞様構造の形成を認めない疾患においてこれら因子の発現を伴う非典型的B細胞の存在を認めた。また、これらの疾患のpublicのscRNA sequenceのデータを解析すると、同様のB細胞の存在を確認した。よってこれらの病変部はiSALTのeffector siteの可能性を考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
リンパ濾胞様構造に特殊なB細胞が存在するか、またそれらのB細胞がリンパ濾胞を伴わない部位に遊走するかは当初、不明であったが、可溶性IgA関連蛋白質を産生する非典型的B細胞が、それぞれに存在することを確認した。今後これらの表現型を解析することで、少なくともアトピー性皮膚炎と円形脱毛症における病態生理の新しい側面の理解を得られる可能性がある。また、究極的な目的であるリンパネットワークを形成しているかについてはマウス実験が必要であるが、これらの疾患が有用な疾患モデルである可能性が示された。
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今後の研究の推進方策 |
アトピー性皮膚炎および円形脱毛症で認められた非典型的B細胞のprofileをnanostring社のGeoMxやbulk RNA sequenceで確認する準備を進めている。必ずしもB細胞の浸潤が多いとされない疾患で認められているため、スクリーニングの範囲をさらに広げて皮膚疾患を検索する。それぞれの疾患群におけるB細胞の役割を検討する。
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