研究課題/領域番号 |
23K15300
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
鈴木 さやか 鳥取大学, 医学部, 助教 (60835263)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Ⅰ型古典的樹状細胞 / 多発性骨髄腫 / インターロイキン12 / CD103 / type1 dedritic cell / multiple myeloma / tumor microenvironment |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍細胞を除去する免疫細胞の代表はT細胞(細胞障害性T細胞)であるが、この細胞は、I型古典的樹状細胞(cDC1)によってどの標的に対抗するかを決定される。しかし、樹状細胞は免疫寛容を誘導する機能も持っており、多発性骨髄腫等のがん発生段階で腫瘍への免疫寛容を起こし、がんの進展を促進している可能性がある。 マウスモデルやヒトサンプルを用いて、多発性骨髄腫における樹状細胞の役割や機能を詳細に調べることで、そのがんへの免疫寛容を起こすメカニズムを解明し、がんの進展を抑制する新たな治療標的を探索する。
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研究実績の概要 |
以下の3点を中心に本研究を実施している。 1.マウス多発性骨髄腫モデルにおいてcDC1が腫瘍やCD8 T細胞、Tregにどの時期にどのように影響を及ぼしているのかをフローサイトメトリー法で解析している。多発性骨髄腫マウスの骨髄に増加しているcDC1は、正常マウスの脾臓cDC1と比較してCD103が強く発現していることを見出した。cDC1のmigrationに関与する分子であり、他のmigrationに関与するインテグリンやCCR7、CXCR4などのケモカインの発現も重要であると考え検索している。また、cDC1の活性化に重要なIL-10、IL-12、T細胞活性化に重要なIFN-γ、Perforine、GranzymeB、TNF-α等の産生量や分泌量を調べる実験が進行中である。
2.骨髄におけるcDC1、CD8 T細胞、Treg、腫瘍細胞の組織内局在や腫瘍・他の免疫細胞との接着があるかを組織切片免疫染色法にて調べている。現在染色条件の最適化の途中である。
3.ヒト多発性骨髄腫患者から得られた骨髄細胞に対してフローサイトメトリー法等での解析を開始している。ヒト骨髄cDC1のゲーティング条件を確立した。現在はCD103分子の発現を調べるための条件検討中である。また、コントロールサンプルの収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年3月より切迫早産で入院したため、実験が中断されてしまった。2024年2月まで育児休業となっており、実験の中断期間がある分遅れている。すでに育児休業を理由とした延長申請手続きをしている。実験再開から約2カ月の進捗は比較的順調である。
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今後の研究の推進方策 |
マウス多発性骨髄腫の骨髄における組織切片免疫染色法での実験を実施しているが、染色条件が不安定で期待した染色結果が得られず、抗体試薬選択や切片作成方法、サンプルの固定時間など最適な条件を探して条件検討を重ねている。 ヒト多発性骨髄腫の骨髄細胞のフローサイトメトリー解析では、対照となる健常コントロールサンプルが十分な数を得ることが難しく、代替案を検討中である。
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