研究課題/領域番号 |
23K15303
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
七條 敬文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80973891)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | HTLV-1 / HBZ / TGF-beta / ATL / 成人T細胞白血病 / ヒトT細胞白血病ウイルス1型 / HTLV-1 bZIP factor / APOBEC3G / TGF-β/Smad経路 |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染により発症するが、同じデルタレトロウイルスであるHTLV-2やHTLV-1の祖先ウイルスであるSTLV-1は発がん性を殆ど有さない。どのような機序で病原性の違いを来すかは不明である。申請者は先行研究でHTLV-1が宿主抗レトロウイルス因子であるAPOBEC3G(A3G)に脆弱であることを見出した。本研究課題では、HTLV-1がヒトに未だ適応できていないため発がん性を有すると仮説を立て、HTLV-1のヒトへの適応とA3GのATL発がんにおける寄与の解明を通じて、ATLの新規治療標的になりうる分子機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
通常は増殖抑制的シグナルであるTGF-beta経路が、HTLV-1感染細胞/ATL細胞では増殖促進に寄与するメカニズムとして、RNA-seqの結果から、主にmyc関連遺伝子が増殖へ寄与することが明らかとなった。詳細なメカニズムとして、RNA-seq及びChIP-seqの結果から、HTLV-1感染細胞ATL細胞特異的な標的遺伝子を同定した。さらに、マスサイトメーターによるマルチパラメータータンパク解析(CyTOF)において、標的遺伝子のタンパク質の発現と、TGF-betaタンパク質の発現が患者由来のATL細胞で正の相関があることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HTLV-1感染細胞/ATL細胞に特異的なTGF-beta経路による細胞増殖促進機構が明らかとなった。研究計画の実験から、意義のある結果が出ており、論文報告(Proc Natl Acad Sci U S A., 2024)を行った。引き続き研究計画を進め、更なる結果も得られており、概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
hA3G/HBZダブルTgについては作成し、観察中である。皮膚炎や腫瘍の発症率の解析を行い、hA3GのATL発がんにおける役割の解明を行う。また、TGF-beta経路の活性化によるHBZの機能への影響についても現在解析を進め、興味深い知見が得られている。得られた実験結果を用いて、論文作成に着手する。
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