研究課題/領域番号 |
23K15307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鎌 裕一 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (10898456)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | T細胞 / Notchシグナル / PU.1 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
がん遺伝子PU.1は様々な血球細胞の発生や機能を制御する転写因子で、細胞系列特異的なターゲット遺伝子の発現を制御する。PU.1の細胞系列特異的な機能の破綻が、悪性度の高い様々なタイプの白血病の原因となることが知られており、PU.1融合遺伝子を持つT細胞型急性リンパ性白血病は極めて予後不良である。本研究では、リンパ球前駆細胞がNotchシグナルを受け取り、T前駆細胞へと分化する際に、ダイナミックなPU.1の機能変化が誘導される分子メカニズムの解明を試みる。さらに、PU.1の機能および発現の制御機構を解明する。そして、PU.1の細胞系列特異的な機能を制御する、血液腫瘍に対する治療の開発に繋げたい。
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研究実績の概要 |
がん遺伝子PU.1は、様々な血球細胞の発生や機能を制御する転写因子で、マクロファージや顆粒球、樹状細胞、赤芽球前駆細胞、B細胞、T前駆細胞のそれぞれにおいて、細胞系列特異的なターゲット遺伝子の発現を制御している。その発現量は、赤芽球やT前駆細胞、B細胞を含むリンパ球系列に比べて、マクロファージや樹状細胞等のミエロイド系列で特に高い。さらに、PU.1の発現量は、リンパ球前駆細胞から胸腺における初期T前駆細胞まで維持されるが、T前駆細胞がT細胞抗原受容体の遺伝子再構成を起こす直前に、その発現が消失する。このように、PU.1の機能や発現量は、血球細胞の系列や発生段階によって厳密に制御されることが示唆されているが、その分子メカニズムは不明な点が多い。そこで本研究では、リンパ球前駆細胞に発現するPU.1の機能がNotchシグナル依存的にどのような分子メカニズムで変化するのか、Notchシグナルによって誘導されるPU.1転写因子複合体の再構築やターゲット遺伝子の変化を統合的に解析し、PU.1が生理的なT細胞の初期発生を制御する分子メカニズムの理解を試みる。 昨年度までに、Cas9を全身性に発現するマウスからリンパ球前駆細胞株を確立し、レトロウイルスによるsgRNAの導入を行うことで、発生段階特異的に標的遺伝子をノックアウトするシステムを構築した。今年度は、この独自に確立したリンパ球前駆細胞株を使用し、Notchシグナルを受け取る前のリンパ球前駆細胞と、Notchシグナルを受け取った後のT前駆細胞を用いたChIPシークエンス解析を行い、発生段階特異的なPU.1結合ゲノム領域を網羅的に同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、Notchシグナルを受け取る前のリンパ球前駆細胞と、Notchシグナルを受け取った後のT前駆細胞を用いたChIPシークエンス解析を行い、発生段階特異的なPU.1結合ゲノム領域を網羅的に同定した。その結果、リンパ球前駆細胞とT前駆細胞の各々において特異的なPU.1結合ゲノム領域には、当然PU.1モチーフが最も強くenrichされていたが、PU.1以外にenrichされるモチーフは、リンパ球前駆細胞とT前駆細胞で大きく異なっていることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の解析により、リンパ球前駆細胞とT前駆細胞でPU.1の結合ゲノム領域が大きく変化しており、この結果から、Notchシグナル依存的にPU.1の結合領域がシフトしている可能性が示唆された。そこで、今後は、Cas9発現リンパ球前駆細胞株にレトロウイルスを用いてsgRNAを導入することで、リンパ球前駆細胞およびT前駆細胞の各々で発生段階特異的にPU.1を欠損させ、トランスクリプトーム解析を行う。また、この結果とChIP-seqデータを統合的に解析し、PU.1がステージ特異的な機能を発揮する分子メカニズムを明らかにする。
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