研究課題/領域番号 |
23K15311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
岡本 秀一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10529035)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
急性白血病の治療戦略に、Total Cell Killと分化誘導療法がある。Total Cell Killの達成に向けて殺細胞効果のある抗がん剤開発が行われているが、有効性には限界がある。一方、分化誘導療法は高い効果が認められるが、対象疾患が急性前骨髄性白血病に限定されている。 申請者は、独自に開発した骨髄微小環境in vitro再現培養法(ニッチ培養法)の研究から、様々な白血病細胞株を分化させる作用のある、脂質メディエーター【X】を見出した。本課題の目標は、【X】の構造決定と受容体を同定することで、新たな白血病分化誘導療法の開発に向けた基礎データを取得することである。
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研究実績の概要 |
『脂質メディエーターによる新規分化誘導療法の開発』研究では、新たな白血病の分化誘導療法を開発するために、特殊な培養環境中に分泌される分化誘導因子の分離・精製を進めている。これまでに、分化誘導因子が脂質メディエーターであることを見出している。この脂質メディエーターを同定して治療法の確立を目指している。 脂質メディエーターの分離に、薄層クロマトグラフィーを活用し分離を進めたが、分離が安定しなかったため薄層クロマトグラフィーによる分離は断念した。次に、液クロマトグラフィーを用いて分化誘導因子の精製を進めた。初期には分離が上手くいかない状況であったが、分離液の組成を調整することで脂質メディエーターを高純度で精製することに成功した。現在、分離した脂質メディエーターを質量分析で解析し、十数種類の候補分子にまで絞り込むことに成功している。しかし、高純度の分離に成功したことで、脂質メディエーターをによる細胞毒性が現れており、新たな問題として解決が必要となっている。この問題を解決するため、低濃度の脂質メディエーターで分化誘導実験を行う必要があり、分化誘導実験の条件検討を進めている。特に、低濃度の脂質メディエーターを用いた場合、培養液中に含まれるウシ胎児血清の影響があるため、無血清培地での実験が必要とンある。現在、無血清培地の選定を進めている。また、様々な細胞で脂質メディエーターの効果を確認するため、多くの白血病細胞株で分化誘導実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題では、新規分化誘導療法に使用できる脂質メディエーターの生成が目的である。現在、薄層クロマトグラフィーと液クロマトグラフィーを用いて分化誘導因子の精製を進めている。しかし、精製が進むにつれて脂質メディエーターの純度が上がった結果、細胞毒性が現れるようになった。このため、分化誘導の解析が困難な状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
高純度の脂質メディエーターによる細胞毒性の出現により、分化誘導の解析が困難になっている。その問題を解決するため、脂質メディエーターの濃度を調整し、分化誘導実験の条件検討を進めている。
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