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CRISPR-Cas9スクリーニング法による初回治療抵抗性を克服するCAR-T細胞療法の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 23K15323
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

葉名尻 良  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40861810)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードCAR-T細胞療法 / CRISPRスクリーニング / 免疫細胞療法 / HLA / キメラ抗原受容体
研究開始時の研究の概要

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T)療法において、初回治療抵抗性を示す症例があることが臨床上の問題となっています。本研究では、①HLA発現欠損リンパ腫細胞でのゲノムワイドCRISPRライブラリースクリーニング、②CAR-T療法抵抗性遺伝子異常の同定および臨床成績の検討、③CAR-Tの細胞内シグナル伝達ドメイン改変、の3点をすすめることにより、HLA欠損リンパ腫細胞のCAR-T初回治療抵抗性となる分子機構を解明します。これにより、リンパ腫細胞の遺伝子異常プロファイルに基づいた新たなCAR-T個別化医療の開発基盤を構築したいと考えています。

研究実績の概要

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T)療法において、初回治療抵抗性を示す症例があることが臨床上の問題となっているが、その詳細な機序は解明されていない。加えて、DLBCLの約半数でHLA発現の欠損を認めるが、HLA発現低下がCAR-T治療抵抗性に与える影響は不明である。リンパ腫細胞が初回CAR-T療法抵抗性となる分子機構を解明することにより、CAR-T療法の治療成績を向上させる新たな治療戦略につながると考えられる。我々は最近、DLBCLに対しCAR-T療法を受けた患者臨床検体を解析し、治療反応良好例ではCAR-T投与後10日前後で、CD4+ CAR-Tが増加していることを見出した。このことは、CAR-TはHLA非依存的にリンパ腫細胞の標的抗原を認識するが、加えて標的細胞のHLA分子との結合がCAR-Tの細胞内シグナルをさらに増幅させる可能性を示唆している。したがって、リンパ腫細胞表面でHLA分子が欠損すると、CAR-Tの反応性が減弱し、CAR-T療法抵抗性につながる可能性がある。本研究課題では、CAR-Tの初回治療抵抗性の原因がリンパ腫細胞の機能喪失型遺伝子異常にあるのではないかという仮説を、HLA欠損リンパ腫細胞に着目し、最終的にはCRISPR-Cas9全ゲノム機能的スクリーニング法を用い検証することを目的とした。
今回、リンパ腫細胞株においてHLAクラスII抗体で細胞表面のHLAをブロッキングすることにより、CAR-Tからの炎症性サイトカイン産生が低下することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HLA欠損リンパ腫細胞に対するCAR-Tの反応性を検証するために、HLA欠損リンパ腫細胞を作成する必要があり、複数のリンパ腫細胞株のHLAをCRISPR-Cas9法でノックアウトすることを試みているが、HLAクラスIIのノックアウトに難渋している。そのため、CRISPR-Cas9全ゲノム機能的スクリーニング法によるリンパ腫細胞の機能喪失型遺伝子異常の検証に進めていない状況である。

今後の研究の推進方策

リンパ腫細胞株をHLA抗体でブロッキングし、HLA欠損リンパ腫細胞として用いることにより、HLA発現欠損リンパ腫細胞でのゲノムワイドCRISPRライブラリースクリーニングを行う。実際にHLA抗体によるブロッキングにより、CAR-Tの反応性が変化することを確認している。また、エピジェネティック阻害剤によりHLA欠損リンパ腫細胞のHLA発現が上昇するという報告が多数あるため、エピジェネティック阻害剤自体がCAR-Tに与える影響について加えて検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Tisagenlecleucel治療を受けたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-Tの短期的な体内動態と治療成績2023

    • 著者名/発表者名
      葉名尻 良、古川 勝也、中島 麻梨絵、牛島 洋子、島田 和之、石川 裕一、寺倉 精太郎、村田 誠、清井 仁
    • 雑誌名

      臨床血液

      巻: 64 号: 3 ページ: 167-174

    • DOI

      10.11406/rinketsu.64.167

    • ISSN
      0485-1439, 1882-0824
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antibody response after third dose of COVID-19 mRNA vaccination in allogeneic hematopoietic stem cell transplant recipients is comparable to that in healthy counterparts2023

    • 著者名/発表者名
      Takagi Erina、Terakura Seitaro、Fujigaki Hidetsugu、Okamoto Akinao、Miyao Kotaro、Sawa Masashi、Morishita Takanobu、Goto Tatsunori、Ozawa Yukiyasu、Nishida Tetsuya、Fukushima Nobuaki、Ozeki Kazutaka、Hanajiri Ryo、Saito Kuniaki、Murata Makoto、Tomita Akihiro、Kiyoi Hitoshi
    • 雑誌名

      International Journal of Hematology

      巻: 118 号: 4 ページ: 462-471

    • DOI

      10.1007/s12185-023-03648-1

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Risk factors for CAR-T cell manufacturing failure among DLBCL patients: A nationwide survey in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Jo T, Yoshihara S, Okuyama Y, Fujii K, Henzan T, Kahata K, Yamazaki R, Takeda W, Umezawa Y, Fukushima K, Ashida T, Yamada-Fujiwara M, Hanajiri R, Yonetani N, Tada Y, Shimura Y, Nishikii H, Shiba N, Mimura N, Ando J, Sato T, Nakashima Y, Ikemoto J, Iwaki K, Fujiwara SI, Ri M, Nagamura-Inoue T, Tanosaki R, Arai Y.
    • 雑誌名

      British Journal of Haematology

      巻: - 号: 2 ページ: 256-266

    • DOI

      10.1111/bjh.18831

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] CAR-T輸注時にCMRのDLBCL患者におけるCAR-Tの増殖と治療成績2024

    • 著者名/発表者名
      葉名尻 良, 佐藤 貴彦, 古川 勝也, 牛島 洋子, 島田 和之, 石川 裕一, 寺倉 精太郎, 清井 仁
    • 学会等名
      第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] CD79A/CD40を共刺激ドメインに持つCD19-CAR-Tの分子メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      竹内 裕貴, 寺倉 精太郎, 横田 裕史, 桑野 史穂美, 安達 慶高, 今井 奏衣, ジャクラワディー ジュラマニー, 葉名尻 良, 村田 誠, 清井 仁
    • 学会等名
      第85回日本血液学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 重症サイトカイン放出症候群はB細胞リンパ腫に対するCAR-T療法の遷延性血球減少症と関連している2023

    • 著者名/発表者名
      葉名尻 良, 佐藤 貴彦, 古川 勝也, 牛島 洋子, 島田 和之, 石川 裕一, 寺倉 精太郎, 清井 仁
    • 学会等名
      第85回日本血液学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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