研究課題/領域番号 |
23K15330
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
水谷 信介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40883088)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | BCL / MM / IFN / ISG / 成熟B細胞性腫瘍 / インターフェロン刺激遺伝子 / 骨髄由来抑制系細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは成熟B細胞性腫瘍において、治療薬による細胞障害性刺激や腫瘍微小環境シグナルによってIFN刺激シグナルが活性化すること、腫瘍細胞や腫瘍環境における骨髄由来抑制系細胞などにおいてIFN刺激遺伝子(IFN stimulated gene:ISG)が発現誘導されること、従来から想定されてきた抗腫瘍免疫活性化機能とは相反して化学療法抵抗性、ならびに抗腫瘍免疫抑制を誘導することを見出した。本研究では難治性成熟B細胞性腫瘍において、治療抵抗性獲得、抗腫瘍免疫破綻を促進するISGを機能的解析によって同定し、その制御機構を明らかにすることで、難治病態克服戦略開発のための新規知見の確立に挑戦する。
|
研究実績の概要 |
成熟B細胞性腫瘍であるB細胞性リンパ腫(B cell lymphoma; BCL)、多発性骨髄腫(Multiple myeloma; MM)は、造血器腫瘍において最も高頻度な疾患群である。近年、分子標的治療薬、抗体薬、免疫細胞療法の進歩によりこれら疾患群の治療成績は概して改善しているが、未だ難治症例が存在し、その克服は喫緊の重要課題である。研究代表者らはこれまでBCL、MMの病態形成と治療抵抗性に関わる普遍・恒常的シグナルの同定、染色体・遺伝子不安定性獲得によるクローン性進化の機序、骨髄由来抑制系細胞の誘導など腫瘍免疫監視機構破綻の機序など多角的な研究を展開してきたが、最近になり、治療薬による細胞障害性刺激や腫瘍微小環境シグナルによってインターフェロン(Interferon:IFN)刺激シグナルが活性化すること、腫瘍細胞や腫瘍環境における骨髄由来抑制系細胞などにおいてIFN刺激遺伝子(IFN stimulated gene:ISG)であるIFN誘導性蛋白質(IFIT)やIFN誘導性膜貫通蛋白質(IFITM)などが発現誘導されること、IFNシグナルにおいて従来から想定されてきた抗腫瘍免疫活性化機能とは相反して化学療法抵抗性、なびに抗腫瘍免疫抑制を誘導することを見出した。数多のISGsのうち、病態促進に関わる責任分子を選別・同定し、それだけを特異的制御ができるようになれば、IFNシグナルによる抗腫瘍活性だけを効果的に保持することで化学療法の治療効果を高め、腫瘍免疫環境の再教育を促進できる可能性がある。そこで、本研究では難治性BCLとMMにおいて、治療抵抗性獲得、抗腫瘍免疫破綻を促進するISGを機能的解析によって同定し、発現・活性の制御機構を明らかにすることで、その制御による難治病態克服戦略開発のための新規知見の確立に挑戦する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数のBCL細胞株、MM細胞株を限界希釈法でシングルセルクローニングし、IFIT1 等の発現が均一な細胞株亜群を調整中であり、引き続き細胞株種の増加を試みる。
|
今後の研究の推進方策 |
遺伝子過剰発現には目的遺伝子を挿入したレンチウイルスベクターpLEX_307を、遺伝子発現抑制には目的遺伝子のshRNA配列を挿入したレンチウイルスベクターpLKO.puro を用いる。当該プラスミド及びウイルスパッケージングプラスミド(pRSV-Rev、pMDLg/pRRE、pMD2.G)を293T 細胞に導入し非増殖性レンチウイルスを得た後に上記細胞株亜群に感染させ、安定的にインターフェロン刺激遺伝子強制発現、 あるいは発現抑制状態にある数種の細胞株亜株を樹立する。
|