研究課題/領域番号 |
23K15347
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
金城 健太 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (60897586)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 時計遺伝子 / 滑膜細胞 / 炎症性サイトカイン / NF-κB / 炎症性メディエーター |
研究開始時の研究の概要 |
【背景】関節リウマチ(RA)は寛解と再燃を繰り返す慢性進行性の多発性関節炎で、関節リウマチ滑膜細胞(RA-FLS)の増殖と炎症が制御不能となって関節破壊が進行する。また、その病状は朝のこわばり、夜間に亢進する炎症性サイトカイン分泌を特徴とする症状の日内変動を示す。申請者はこれまで時計遺伝子とRAの疾患活動性の関連や時計遺伝子Bmal1がRA-FLSの炎症性メディエーター産生、RA患者の概日リズムに与える影響について報告してきた。 【目的】RA-FLSの増殖やサイトカイン産生に中心的な役割を果たすNF-κBとBMAL1との相互作用に着目し、Bmal1がRAの治療標的となり得るか否かを検証する。
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研究実績の概要 |
① RA-FLSの時計遺伝子Bmal1発現がRNA干渉により抑制されると、TNF-α(20 ng/mL)による転写因子NF-kBの転写活性を抑制されることをレポーターアッセイにより明らかにした。 ② RA-FLSの時計遺伝子Bmal1発現がRNA干渉により抑制されると、TNF-α(20 ng/mL)による転写因子NF-kBの核内移行が抑制されることを免疫染色により明らかにした。 ③ RA-FLSの時計遺伝子BMAL1と転写因子NF-kBが複合体を形成することを免疫沈降により明らかにした。 ④ RA-FLSの時計遺伝子Bmal1発現がRNA干渉により抑制されると、TNF-α(20 ng/mL)による転写因子NF-kBのリン酸化が抑制されることをウエスタンブロットにより明らかにした。 以上の研究成果は、TNF-α刺激下においてBMAL1が制御するRA-FLSの炎症性サイトカイン産生にNF-kBが深く関与することを指し示す結果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの研究経過において、既に本研究課題の主張である「時計遺伝子BMAL1による転写因子NF-kBの転写活性の促進」が少数の標本数による検証で明らかになりつつある。 これらの研究成果を踏まえて、「BMAL1とNF-κBの複合体形成を阻害する化合物発見を目指す」 より発展的な研究課題を新たに立案することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、①これまで得た実験系の標本数を確保することで実験結果の再現性を確認、②NF-kBのリン酸化阻害剤を使用した実験系の実施、③論文誌への投稿を遂行するとともに④新たな研究課題を開始する準備を整える。
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