研究課題/領域番号 |
23K15353
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
土田 奈緒美 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30847918)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 自己炎症性疾患 / 体細胞バリアント / 全エクソーム解析 / 体細胞変異 |
研究開始時の研究の概要 |
自己炎症性疾患は、周期性発熱・関節炎・皮膚炎などを主症状とし、様々な臓器に炎症を生じる希少難治病態の総称である。近年、成人発症の自己炎症病態において、体細胞変異によって後天的に自己炎症性疾患を発症する症例が報告されつつある。本研究では、成人発症の自己炎症性疾患において、網羅的な遺伝子解析を用いて疾患責任遺伝子変異の同定を行う。遺伝子解析を通じて自己炎症病態に関わる炎症経路を明らかにし、治療標的を特定し創薬・治療開発への応用を目指す。
|
研究実績の概要 |
自己炎症性疾患(autoinflammatory diseases, AID) は、周期性発熱・関節炎・皮膚炎などを主症状とし、あらゆる臓器に炎症を生じる希少難治病態の総称である。AIDは免疫にかかわる様々な分子の遺伝子バリアントに起因するが、近年、成人発症の自己炎症病態において、体細胞バリアントによって後天的に自己炎症性疾患を発症する症例が報告されつつある。本研究の目的は、成人発症の自己炎症性疾患において、低頻度体細胞バリアントを含めた網羅的かつ詳細な遺伝子解析を用いて疾患責任遺伝子バリアントの同定を行うことである。 (1)VEXAS症候群疑い症例のUBA1遺伝子バリアント解析 2020年に新たに報告された後天性の炎症症候群であるVEXAS症候群の責任遺伝子のUBA1遺伝子の既知バリアントを高感度に検出する系を確立した(サンガーシーケンス、デジタルドロプレットPCR、PNA-clamping PCR、ターゲットアンプリコンシーケンス)。自・他施設からVEXAS症候群が疑われる患者検体を集積し、UBA1遺伝子バリアント解析を行い、その精度と妥当性について検討した。また、UBA1遺伝子解析の必要性を判断するための簡便なスコアリングシステムの開発と検討を行った。これらの成果をまとめ、論文報告を行った。 (2)VEXAS症候群疑い症例のUBA1遺伝子バリアント陰性症例の解析 上述のUBA1遺伝子の既知バリアント解析で陰性であった症例に対して、その他の責任遺伝子バリアントの検出・同定を目的に、網羅的な遺伝子解析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) VEXAS症候群が疑われた症例に対して、UBA1遺伝子バリアントを高感度に検出する系を確立し、解析手法の比較検討を行い、効率的にバリアントを検出するスクリーニング手順を検討した。また、UBA1遺伝子解析の必要性を判断するための簡便なスコアリングシステムの開発と検討を行った。これらの成果について、論文報告を行った。 (2) VEXAS症候群が疑われた症例のうち、上述のバリアントスクリーニングで陰性であった症例に対して、生殖細胞系列バリアントと体細胞バリアントの検出を目的に、通常の全エクソーム解析で用いられる読み取り深度よりも3倍の読み取り深度を目標に全エクソーム解析を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
(1) VEXAS症候群におけるUBA1遺伝子解析の方法について、関連学会や検査会社に研究成果の情報提供を行い、今後の外注検査化への協力を進める。臨床スコアリングシステムの妥当性について検討を進める。 (2) シーケンスデータ解析を行い、責任遺伝子バリアントの検出・同定を進める。
|