研究課題/領域番号 |
23K15358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
樋口 智昭 東京女子医科大学, 医学部, 寄附部門講師 (80836966)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 強皮症 / 線維化 / 全身性強皮症 |
研究開始時の研究の概要 |
強皮症線維化病態には、慢性炎症と進行する線維化が基盤として存在し、これらの制御が新規治療薬の開発につながることが期待されている。ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬には、抗炎症作用と抗線維化作用に関する報告が多数あり、強皮症線維化病態に有効である可能性が十分にある。本研究の目的は、強皮症線維化病態における最も疾患特異的なPDEサブタイプを同定し、 その抑制が持続する慢性炎症と進行する線維化を制御できるかどうかを検証することである。本研究の成果により、 強皮症の線維化病態におけるPDEを起点とした慢性炎症と線維化の関係の一端が明らかになり、新規治療法の開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
強皮症皮膚線維芽細胞および健常人由来皮膚線維芽細胞を用いて、ホスホジエステラーゼ(PDE)の発現、さまざまな線維化促進因子を添加した際のPDEの発現の変化、およびPDE阻害薬を添加した上でTGF-β1を添加した際の線維化マーカーの変動についての検討を、予備実験に引き続いて行った。いくつかの有望なPDEアイソザイムを確認できたが、安定した結果を得ることができなかった。理由として、安定した実験系を確立できていない可能性があるため、もう一度見直しを行い、次年度にに継続して解析を行うこととした。そのような結果であり、本研究の成果については学会発表を行うことはできなかったが、ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)やアジア太平洋リウマチ学会(APLAR)に参加し、情報収集や専門家との意見交換に努めた。次年度については、前に述べたようにPDEアイソザイムをin vitro実験で探索する試みを続ける。また、最近、PDE4B阻害薬の抗線維化作用と抗炎症作用により発揮される抗線維化作用が注目されているRicheldi L, et al., NEJM, 2022)。PDE4B阻害薬は消化器症状を引き起こさないことで特に注目されているが、我々の研究目的であるPDEアイソザイム探索のゴールとなり得る分子である。PDE4B阻害薬の線維化抑制作用について、まだ十分に解明されていない点があることや、皮膚線維化に対する有効性などもわかっていないため、PDE4B阻害薬の有効性についての検証も可能であればプロジェクトの対象としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験系の確立がうまくできなかったため
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今後の研究の推進方策 |
引き続きin vitro実験の解析を続け、線維化と関連するPDEアイソザイムを探索する。可能であれば、マウス実験に繋げる。また、PDE4B阻害薬の有効性についても検証を行う。
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