研究課題/領域番号 |
23K15362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河喜多 智美 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 博士研究員 (10921067)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MAC症 / マウス感染モデル / アジュバント / TLR3 |
研究開始時の研究の概要 |
Mycobacterium avium complex (MAC)症は、既存の抗結核薬の効果が乏しく、新しい治療法の開発が急務である。MAC症では感染が持続するにつれてTh1型免疫の減弱が生じることが知られており、Th1型免疫を誘導する分子がその治療薬候補として有望である。 Toll様受容体(TLR3)のアゴニストARNAXは細胞傷害性T細胞(CTL)誘導するTh1型アジュバントとしてがん領域で開発が進んでいる。本研究では、MACの感染に対してARNAXの有効性を検討する。
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研究実績の概要 |
Mycobacterium avium complex(MAC)は宿主免疫から逃れ、難治性慢性感染を引き起こす。Toll-like receptor (TLR)のアゴニストは、免疫不活化剤として、MAC症の補助的治療効果を示すことが期待されている。本研究では、 新規TLR3アゴニストであるARNAXのMAC症に対する投与効果をマウスモデルで検討する。 本年度は、代表的なMAC症の起炎菌であるMycobacterium avium subsp. hominissuis (MAH)の臨床分離株を用いて、MAC感染マウスモデルの作製を行った。0.5-5×10^7 CFUをC57BL/6マウスに腹腔内接種または経気道接種し、肺、脾臓および肝臓における菌量の変化と肉芽腫様病変の形成を感染9週目まで評価した。 腹腔内接種では、各臓器より検出される菌量は感染3週から6週で増加し、6週から9週で安定する傾向が認められた。明らかな肉芽種様病変は感染6週以降の肝臓から確認された。菌を貪食したマクロファージの集塊を含む病変は、脾臓では感染3週後、肺では6週以降で顕著であった。経気道接種による感染では、肺全体に亘って強い炎症と菌体が観察され、菌量も感染9週目まで高い値を示した。脾臓および肝臓でも明らかな病変部を認め、肝臓では感染6週以降で肉芽腫様病変が観察された。 今後はこれらを指標に、ARNAXの投与効果を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
MAC感染マウスモデルの検討にあたり、当初予定していたM. avium ATCC25291株以外にMAHの臨床分離株の検討を追加した。M. avium ATCC25291株はMAHとは異なる病原性を示すため、MAHの臨床分離株の方が本研究の目的に適していると判断した。 また、ARNAXの使用に関する手続きに時間を要したため、ARNAXを用いた検討に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
検討したMAHの感染マウスモデルでARNAXの投与効果を検討する。 また、ARNAXがMAC感染マクロファージにもたらす影響をin vtroで解析する。
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