研究課題/領域番号 |
23K15363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
袴田 真理子 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (00913097)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 三次元解析 / M.tuberculosis / M. avium / BCG / リンパ管解析 / 抗酸菌 / 組織透明化3次元イメージング / リンパ管 / 抗菌薬 |
研究開始時の研究の概要 |
結核はエイズ、マラリアと並んでWHO が制圧対象として挙げている三大感染症の一つである。また難治性の非結核性抗酸菌症の罹患率も近年増加傾向にある。対策構築のため抗酸菌と宿主応答の体内動態を理解する必要があるが、不透明な哺乳類において評価は難しい。また結核菌はリンパ管を通して感染が進行するが、リンパ管と菌の関係を解析した報告は少ない。 本研究は、組織透明化技術を用いてマウスにおける抗酸菌の体内動態を3 次元的に解析し、結核菌に対する宿主のリンパ管新生阻害の治療効果を明らかにすることを目指す。本研究の知見は、菌の病原性や宿主との関係性を解明し、効果的な治療薬やワクチン開発に役立つことが期待される。
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研究実績の概要 |
①結核菌感染マウスの感染の経時的解析:組織透明化技術を用いて、結核菌に感染したマウスの肺を透明化し、経時的に肺内の感染の進行を三次元的に解析した。感染初日では肺内全体に分布した結核菌が、感染28日目には上肺野に多く結節影を形成してくる様子が捉えられた。また従来の菌数を評価する方法であるCFUと三次元画像解析ソフトImarisによる解析で算出された菌数と菌塊の体積は完全に相関する結果とはいえなかったが、感染14日目から28日目でCFUが増加するとともに、菌塊の体積も増加している点は同じであった。 ②3種類の抗酸菌による感染の経時的・病例学的解析:結核の原因菌であるMycobacterium tubeuculosis, ワクチン株である弱毒のBCG、非結核性抗酸菌症の主要な原因菌であるMycobacterium aviumの3種類の蛍光蛋白発現遺伝子組み替え抗酸菌をマウスに点鼻吸入で感染させ、感染後1日目、14日目、28日目にマウスの肺を取り出しCUBICによる三次元解析を行った。感染28日目でBCGとM. aviumは結核菌とは異なり大きな菌塊を形成しなかった。結核菌は上肺野に集塊を形成するのに対して、BCGは特定の領域に偏りなく肺全体に分布していた。M. aviumは気管支の周囲に結節を形成する様子が確認できた。BCGとM. aviumにおいては、CFUとImarisで算出された菌数と菌の堆積は概ね相関していた。 ③既存の抗結核薬とリンパ管新生阻害薬の治療効果の比較:結核菌をマウスに感染後、感染21日目から生食、INH、REF、VEGFR3抗体(リンパ管新生阻害剤)の4つの治療群に分けて、治療効果を比較した。肺を透明化する過程で免疫染色を用い、肺内のリンパ管を三次元的に描出し、解析することに成功した。しかし、感染した結核菌の量が少ないまたは投与方法が不十分であったためか、①、②の実験時よりも感染巣が小さく治療効果を判別できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①、②の解析はほぼ終了しているが、③の実験は、マウスへの感染量が少なかったためやり直す必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
マウスに感染させる結核菌の菌量を増量し、4種類の薬剤の治療効果を比較するため、感染後28日目に菌塊を形成させる必要がある。リンパ管の分布については、バイオインフォマティクス分野の先生方と協力し、感染の経過に伴うリンパ管の分布を解析していく。
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