• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

敗血症患者全白血球のシングルセルシーケンスによる重症化バイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K15365
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分54030:感染症内科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

石川 昌和  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (10897028)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードシングルセルシーケンス / 敗血症
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、シングルセルシーケンスにより、敗血症の重症化あるいは回復する兆候を示すような細胞種の割合、細胞種ごとの遺伝子発現量の変化を明らかにすることである。敗血症の早期治療のために、重症化を予期できるようなバイオマーカーが必要とされている。シングルセルシーケンスは、遺伝子発現量の変化を1細胞レベルで網羅的に解析する手法であり、バイオマーカーの探索には非常に強力な手法である。本研究では、好中球を含む全白血球を対象とし、さらに時系列のシングルセルシーケンスデータを取得することで、網羅的なバイオマーカーの探索を行う。

研究実績の概要

我々は敗血症患者白血球のシングルセルRNA-seqを行った。敗血症患者サンプルは、大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターに搬送された直後に採血を行い、白血球を取得し、解析を行った。サンプルとしては健常者2例、敗血症2例の好中球を含む全白血球のシングルセルシーケンスを行っており、いずれもシングルセルRNA-seq解析が終了している。リンパ球においては、健常者、敗血症患者とも一つのクラスターを構成している。しかし、好中球においては、健常者1,2のクラスター、敗血症1のクラスター、敗血症2のクラスターと3つに分かれている。このことは、敗血症患者と健常者の間でリンパ球の遺伝子発現量は大きく異ならないが、好中球の遺伝子発現量は、大きく異なることが示されている。また、敗血症患者の間でも、好中球遺伝子が大きく異なることが示されている。次に健常者と敗血症患者の間でどの遺伝子が異なっているかを解析した。その結果、敗血症患者では、TREM-1, JUND, CXCL8などの遺伝子の発現量が健常人に比べて減少しており、CD177, HK3, S100A8, S100A9などの遺伝子が上昇していた。これらの遺伝子は免疫応答の低下、臓器障害、細胞死に関係があるとされており、敗血症患者では免疫応答の低下と炎症応答の亢進が起こっていることが示唆される。さらに、敗血症患者同士で遺伝子発現量を比較したところ、G0S2, SAT1, MCL1, ACSL1, ADGRE5, CD177, S100A8が一方のサンプルで減少していた。これらの遺伝子は、アポトーシス、炎症応答、細胞増殖に関係のある遺伝子であり、一方のサンプルでは好中球の細胞増殖とアポトーシスが盛んに行われている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標であった敗血症患者全白血球のシングルセルRNA-seqに成功している。そして、敗血症に関わる遺伝子の同定に成功した。さらに、パブリックデータの取得を行い、データ数を増やすことでより信頼性のあるデータを入手できた。

今後の研究の推進方策

今後は、大学病院と共同でサンプル数を増やし、さらにqPCRなどより簡便かつ安価な測定方法で敗血症に関連する遺伝子を同定できるのかを検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] SiCR: シングルセル免疫学に特化したウェブアプリケーション2023

    • 著者名/発表者名
      石川昌和、松本薫、奥崎大介
    • 学会等名
      NGS Expo
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi