研究課題/領域番号 |
23K15372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
川口 剛 宮崎大学, 医学部, 助教 (10805815)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 重症熱性血小板減少症候群 / 侵襲性肺アスペルギルス症 / 好中球機能 / SFTS / fungal infection / neutrophil function |
研究開始時の研究の概要 |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はウイルス性出血熱の一種であるが,その病態は不明な点が多い.肺真菌症などの2次感染により死亡する症例が散見される.2次感染症合併のリスクに血球減少やステロイド投与が挙げられるが,SFTS発症急性期に細菌・真菌の2次感染を併発することから好中球機能の低下も想定される.本研究では,多施設共同で前向きに症例を集積し(目標:30例),急性期及び回復期の重症例及び軽症例,2次感染合併例と非合併例の臨床情報と血液検体を用いたレジストリーを構築する.これによりSFTS感染急性期における好中球機能を評価し,2次感染症合併の予防や死亡率低下に結びつく基礎的・臨床的検討を行う.
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研究実績の概要 |
ウイルス性出血熱の一種である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、未だ抗ウイルス薬やワクチンなどの有効な治療・予防法は確立しておらず、本邦における致死率は約30%と高い。重症例/死亡例では侵襲性肺アスペルギルス症などの2次的な感染症を併発する症例が多いが報告されているが、その病態は明らかではない。侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)のリスクとして血球減少やステロイド投与が挙げられるが、SFTSでは白血球減少は1週間程度と一時的であること、ステロイド非投与例でもIPAを発症することから、その他に主因があると考えられる。そこで、好中球機能に着目し、SFTS急性期の好中球機能を評価し、SFTSの重症度やウイルス量、各種のサイトカインとの相関を解析することとした。本研究では、国内最多のSFTS発症数がある宮崎県において県内の医療機関と共同で前向きに症例を集積し(目標:30例)、急性期及び回復期の重症例及び軽症例、2次感染合併例と非合併例の臨床情報と血液検体を用いたレジストリーを構築する。これによりSFTS感染急性期における好中球機能を評価し、肺アスペルギルス症を中心に2次感染症合併の予防や死亡率低下に結びつく基礎的・臨床的検討を行う。 初年度となるR5年は新規の症例集積の推進と新規症例の末梢血を用いたフローサイトメトリによる好中球機能の評価、過去の症例の保存検体におけるウイルス量やサイトカイン値の測定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R5年度は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の症例集積とこれまでに保存していたSFTS症例の血液検体を用いたウイルス量やサイトカイン値の測定を行った。新規にレジストリに登録した5症例については随時末梢血のフローサイトメトリにより好中球機能を測定した。過去の17症例については保存検体を用いてIL-6などの炎症性サイトカインやIL-10などの抗炎症性サイトカインなどの各種サイトカインを測定した。肺アスペルギルス症と発生と好中球機能、ウイルス量、各種のサイトカイン値の相関についてはより症例集積を進めた上で行う予定する。 また、宮崎県内の医療機関と連携し、宮崎県内の症例集積を行うためのレジストリを開始した。全国版のレジストリ作成について準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度はさらに症例集積を進め、SFTSにおけるIPAなど2次感染症の合併頻度などの臨床情報の集計、好中球機能、ウイルス量、サイトカインの測定、R7年度にはそれらの解析、論文作成を行う予定である。
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