研究課題/領域番号 |
23K15386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
須賀 孝慶 群馬大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (40848686)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グルカゴン / 脂肪肝 / 肥満 / 糖尿病 / 生活習慣病 |
研究開始時の研究の概要 |
グルカゴンは膵α細胞から分泌されるが、その分泌メカニズムは十分に解明されていない。申請者は以前にグルコーストランスポーターとしてSGLT-1が膵α細胞に発現していることを報告した。本研究は膵α細胞SGLT-1によるグルカゴン分泌制御に着目した臨床応用を目的とする。
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研究実績の概要 |
グルカゴンは膵α細胞から分泌される血糖上昇ホルモンとして知られるが、他にも食欲抑制、脂肪分解促進、基礎代謝亢進といった抗肥満作用がある。しかしグルカゴン分泌のメカニズムは十分に解明されていない。膵α細胞におけるグルコース取り込みは、これまでグルコース輸送体(GLUT)-1のみが担っていると考えられていた。しかし最近我々は、膵α細胞にはNa+と一緒にグルコースを細胞内に共輸送するナトリウム/グルコース共役輸送体(SGLT)-1が発現していることを報告した。また培養α細胞株を用いたin vitro実験において、SGLT特異的基質であるメチル-α-D-グルコピラノシド(αMG)が細胞内Ca2+濃度上昇を伴ってグルカゴン分泌を制御していることも併せて見出した。しかしながら、生体内(in vivo)において膵α細胞SGLT-1が内因性グルカゴン分泌に影響しているかは不明 である。 本研究では、SGLT特異的基質である(αMG)を用いて、BL/6Jマウスの血中グルカゴン濃度を評価した。αMGをBL/6Jマウスに投与して採血を行ったところ、controlと比較して有意な血中グルカゴン濃度の上昇が認められた。またこの効果はSGLT阻害剤の併用によってキャンセルされた。これらの研究結果から、膵α細胞SGLT-1が生体内においても実際に内因性グルカゴン分泌を制御しているという、新規グルカゴン分泌制御機構の存在が示唆された。さらに糖尿病病態では膵α細胞SGLT-1の発現量が増加していることを見出し、糖尿病モデルマウスではαMG誘導性の血中グルカゴン濃度がより顕著に上昇した。今後はαMG誘導性グルカゴン分泌による生体への生理作用の解析を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りマウス表現型の解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
SGLT特異的基質であるαMGを用いることで、生体内においても膵α細胞SGLT-1がグルカゴン分泌を制御していることが示唆された。今後は当初の実験計画通り、αMG誘導性のグルカゴン分泌が、生体にどのような生理的影響を及ぼすかの表現型解析を進めていく予定である。
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